2017年07月14日
演劇コンクール・稽古場突撃インタビュー! 「くちびるの会」
第8回せんがわ劇場演劇コンクール出場団体の稽古場に、次世代芸術家グループのメンバーが訪問してインタビュー!全6団体、順不同でお届けします。
今回は、櫻井拓見さんが世田谷区内の稽古場に伺って、演出の山本タカさんにお話を伺いました。
「劇団の成り立ち」を教えてください。
山本タカ
明治大学の学生時代に、同学年の男子学生を中心に「声を出すと気持ちいいの会」という劇団をやっていて、続けて行くなかで、劇団という形にとらわれず、どんどん新しいことにチャレンジできる場が欲しいなと思って、「くちびるの会」を立ち上げました。劇団員は僕一人です。単独ユニットとして、ファンタジー作品を上演する団体として活動しています。
団体名の由来は?
山本タカ
「声を出すと気持ちいいの会」をやっているときから、「会」という言葉が好きだなと思っていました。meetingとか、「ある目的の為に人々が集まる場」という意味が。もちろん継続的な活動を行うんですが、「この作品の為に集まる」ということが劇団時代から強く意識としてあったので、この「会」は残したいな、と。「くちびる」は、声や音について元々気になっていたというのもあるんですけど、言葉と肉体がおもしろいラインで接点が見つかるといいなという想いを込めて、(身体上の)「唇」が、言葉と肉体の接点だろう、ということで名づけました。平仮名にしてあるのは、書き易さと、老若男女に読みやすくするためです。総画数20字以下を目指しました(笑)。

今回は、櫻井拓見さんが世田谷区内の稽古場に伺って、演出の山本タカさんにお話を伺いました。
「劇団の成り立ち」を教えてください。
山本タカ
明治大学の学生時代に、同学年の男子学生を中心に「声を出すと気持ちいいの会」という劇団をやっていて、続けて行くなかで、劇団という形にとらわれず、どんどん新しいことにチャレンジできる場が欲しいなと思って、「くちびるの会」を立ち上げました。劇団員は僕一人です。単独ユニットとして、ファンタジー作品を上演する団体として活動しています。
団体名の由来は?
山本タカ
「声を出すと気持ちいいの会」をやっているときから、「会」という言葉が好きだなと思っていました。meetingとか、「ある目的の為に人々が集まる場」という意味が。もちろん継続的な活動を行うんですが、「この作品の為に集まる」ということが劇団時代から強く意識としてあったので、この「会」は残したいな、と。「くちびる」は、声や音について元々気になっていたというのもあるんですけど、言葉と肉体がおもしろいラインで接点が見つかるといいなという想いを込めて、(身体上の)「唇」が、言葉と肉体の接点だろう、ということで名づけました。平仮名にしてあるのは、書き易さと、老若男女に読みやすくするためです。総画数20字以下を目指しました(笑)。

活動について聞かせてください。
山本タカ
年2回を目安に劇場公演を行っていたんですが、去年、「吉祥寺シアター演劇部」という中高生を対象にしたワークショップをやって、それまでもやってはいたんですが、やっぱりワークショップっておもしろいなと思って、それ以降本格的に、公演活動とワークショップとの二つを活動の基盤としています。

コンクール参加の動機は?
山本タカ
ずっと劇場公演、自主公演を続けてきて、やはり自主公演だと頻度が上げづらい。コンスタントに作品を発表していきたくて、参加しました。access STAGEというイベントに最近参加したのですが、そこでは20分の作品を上演しました。短編作品を上演できる場であったのが、大きな理由です。「くちびるの会」がどういうことをやっているのか、色んな人に知ってもらいたくてコンクールに参加しました。
今回は、どんな作品でしょうか?
山本タカ
ある小学校のプールの授業中に起こった女の子の死亡事故の「その後の時間」を描いています。作品の構造としては、現在である事故の6年後から、時間がさかのぼっていって、事故の直前までを描くような形で展開します。今回、「くちびるの会」にしてはかなり現実的な題材を取り扱ってはいるのですが、リアリティのある題材に対してどういう問いかけ方をするのかという点に関しては、ファンタジックな要素を取り入れています。ファンタジックというと「きれい」「きれいごと」のニュアンスに受け取られがちですが、そうではなくて、目に見えないものと関係を結ぶためにファンタジー要素を入れています。今回は特に、現実的な社会問題に対して現実的な解決方法を提案しようとしているのではなく、詳細が捉えづらいような事故などに対して、あくまで僕らの人間感覚として、新たな視点を投げかけられたらな、と。

今後の展望は?
山本タカ
来年は本公演をやります。また、引き続きワークショップ活動を継続しながら、作品を色々な形で発表していきます。単純にお客さんが何の心構えもなく見てたのしめるもの、大衆性というかエンターテイメント性というか、そういうものを持ちながら、ただおもしろいだけではなく、見る価値があると思わせるもの、公共性というか、多くの方に見ていただく意味のある作品を発表し続けていきたいなと思っています。来年の本公演で、どーんと力強く発表できる場をつくろうとしている最中です。
◆◆◆
それと、「くちびるの会」では、毎回「懐かしいもの」が出てきます。「あった!これ」みたいな。僕がそういうものが好きなので、毎回そういったものが出てくるのが、「くちびるの会」のおもしろみのひとつです。今までだと「妖怪けむり」とか「ファンタのロング缶」とか……、「あった!」みたいな共感覚。今回の作品で言えば、プールのにおいだとか蝉しぐれだとか塩素のにおいだとか、そういう共感覚を支えにして作品を立ち上げていってます。
(インタビュアーの感想)
場面場面の意味や目的を、言葉を選びながらしっかり言語化していく演出の山本タカさん。演出効果がどう入るのかの説明も詳細にしながら、俳優の身体にシーンを染み込ませていく丁寧な稽古を見学させていただきました。目の行き届いた、こだわりのある照明、音響、小道具、衣装等が全て揃う本番がどうなるのか、期待大です!
(インタビュー:次世代芸術家グループ企画運営部 櫻井拓見
インタビュー日:7月9日)
7/16(日) 16:25 くちびるの会 『プールサイドの砂とうた』
公演詳細はこちら→ここをクリック!
演劇コンクール特設サイトはこちら→ここをクリック!

山本タカ
年2回を目安に劇場公演を行っていたんですが、去年、「吉祥寺シアター演劇部」という中高生を対象にしたワークショップをやって、それまでもやってはいたんですが、やっぱりワークショップっておもしろいなと思って、それ以降本格的に、公演活動とワークショップとの二つを活動の基盤としています。

コンクール参加の動機は?
山本タカ
ずっと劇場公演、自主公演を続けてきて、やはり自主公演だと頻度が上げづらい。コンスタントに作品を発表していきたくて、参加しました。access STAGEというイベントに最近参加したのですが、そこでは20分の作品を上演しました。短編作品を上演できる場であったのが、大きな理由です。「くちびるの会」がどういうことをやっているのか、色んな人に知ってもらいたくてコンクールに参加しました。
今回は、どんな作品でしょうか?
山本タカ
ある小学校のプールの授業中に起こった女の子の死亡事故の「その後の時間」を描いています。作品の構造としては、現在である事故の6年後から、時間がさかのぼっていって、事故の直前までを描くような形で展開します。今回、「くちびるの会」にしてはかなり現実的な題材を取り扱ってはいるのですが、リアリティのある題材に対してどういう問いかけ方をするのかという点に関しては、ファンタジックな要素を取り入れています。ファンタジックというと「きれい」「きれいごと」のニュアンスに受け取られがちですが、そうではなくて、目に見えないものと関係を結ぶためにファンタジー要素を入れています。今回は特に、現実的な社会問題に対して現実的な解決方法を提案しようとしているのではなく、詳細が捉えづらいような事故などに対して、あくまで僕らの人間感覚として、新たな視点を投げかけられたらな、と。

今後の展望は?
山本タカ
来年は本公演をやります。また、引き続きワークショップ活動を継続しながら、作品を色々な形で発表していきます。単純にお客さんが何の心構えもなく見てたのしめるもの、大衆性というかエンターテイメント性というか、そういうものを持ちながら、ただおもしろいだけではなく、見る価値があると思わせるもの、公共性というか、多くの方に見ていただく意味のある作品を発表し続けていきたいなと思っています。来年の本公演で、どーんと力強く発表できる場をつくろうとしている最中です。
◆◆◆
それと、「くちびるの会」では、毎回「懐かしいもの」が出てきます。「あった!これ」みたいな。僕がそういうものが好きなので、毎回そういったものが出てくるのが、「くちびるの会」のおもしろみのひとつです。今までだと「妖怪けむり」とか「ファンタのロング缶」とか……、「あった!」みたいな共感覚。今回の作品で言えば、プールのにおいだとか蝉しぐれだとか塩素のにおいだとか、そういう共感覚を支えにして作品を立ち上げていってます。
(インタビュアーの感想)
場面場面の意味や目的を、言葉を選びながらしっかり言語化していく演出の山本タカさん。演出効果がどう入るのかの説明も詳細にしながら、俳優の身体にシーンを染み込ませていく丁寧な稽古を見学させていただきました。目の行き届いた、こだわりのある照明、音響、小道具、衣装等が全て揃う本番がどうなるのか、期待大です!
(インタビュー:次世代芸術家グループ企画運営部 櫻井拓見
インタビュー日:7月9日)
7/16(日) 16:25 くちびるの会 『プールサイドの砂とうた』
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