2019年09月28日
受賞者インタビュー(3) 公社流体力学 太田日曜さん(グランプリ・俳優賞)
・今回のコンクールの客席の印象はいかがでしたか?
いやぁ、非常に明るくてよかったです。
昔友達と一緒にM-1グランプリに出たことがあって、何一つ受けなくてボケてもそのボケが空間に「無」にされるような感覚があって全然手ごたえを感じないっていうイメージが強くて僕お笑いは向いていないと思ってたんです。
でも今回は結構笑いが起きていて。
でも僕の中では今回の作品はジャンルとしてはコメディではなくて「百合恋愛SF」なんですけれども、ただ根が馬鹿なのでどうしてもボケを入れ込みたくなって。
終盤までギリギリ悩んだんですけど、「何を言う、早見優!」を入れるか入れまいか悩んでいて、「何を言う!」って言ったあの瞬間に「早見優って言おう!」と思って、いざ「早見優!」言ったら受けたので、「ああ、いいお客様だ」と思いました。
そういうくだらないギャグ、ホテルカリフォルニアの件も絶対入れたかったんです。おかげでM-1の悪夢を払拭出来ました。
・今回の各審査員からの講評を受けて、今自分の表現についてどのように考えていらっしゃいますか?
僕の表現は絶対ハードルをガンガンに下げた状態で観て頂くのが一番面白いと思うんですけども、今回ハードルがガンガン上がっちまったんで飛び越えられるかどうかすごい心配ですね。
ネガティブな発言ではあるんですけれども、やっぱり僕はいわゆる普通の演劇でなく、自分でさえ演劇なのかどうか分からないので「朗読見世物」と銘打ってとにかく好き勝手やってるようなところがあるので、遊びまわっていた人が急に「家庭に入れ」と言われてるような気分ですね。
「俺、かっちりしたこと出来るかな」っていう…。もちろん「かっちりしなくてもいい」って言ってくださるとは思うんですけれども。
でもやっぱりハードルが上がってしまった以上、「何をやってもいい」というのは本っっ当
に本当に究極的に「何をやってもいい」というところへ入らない限りたぶんダメだと思うんです。
僕が非常に敬愛かつ尊敬しているゴキブリコンビナートと宇宙論☆講座という二つの団体があって、そこは本当に究極的に何をやってもいいと思っている団体で。
宇宙論☆講座さんでおもしろかったのが、生ビールを飲みながらやる公演(『生ビールミュージカル』)の時に女優さん(新名亜子(秘密のユニット))が主宰の人(五十部裕明)に向かって「自分の団体だからって何やってもいいと思うなよ!!!」ってガチギレしてるシーンがあったんです。でもそれが本当に「何をやってもいい」を体現していて、本当におもしろかったなぁ、と、
なのでそういう「本当になんでもあり」が許されるような感じになりたいです。
・今回グランプリを受賞されて、今後の活動予定や展望、受賞記念公演についての予定についてお聞かせください。
とりあえず今決まっている一番近いものとしては、僕が脚本を書き下ろしている劇団ももいろ鉄ドールという団体の公演が11月に王子スタジオ1です。
脚本を書き始めるところからスタートなんですが、かぐや姫をモチーフにしてかぐや姫版インサイドヘッドみたいな作品を作れたらいいなと思います。
あとは渋谷RUBYROOMというバーで開催されているSPIRITというオープンマイクのイベントに出て新作を読みます。
あとポエトリースラムジャパンという詩の朗読の大会へも出場しようかなと考えていたりします。
来年の受賞記念公演は本当にどうしよう、客席が埋まるのかという心配もあるので…。
正直来年の展望は言えないというかわからないというか、どうすんだろうな、俺…。
ほんとうにアングラから急に上に引っ張り出されて、「あ、もぐらって急に地上に出されたらこういう気分だろうな」という気分ですね。
・せんがわ劇場で特にチャレンジしてみたいことはありますか?
やっぱり今演劇界がどんどん衰退していると思っています。
みんな一人一人が問題意識をもって活動していると思うんですけど、僕もそれなりに問題意識を持っていて。
では打開策は何か?と言ったら「ネットでバズることだ」と思うんです。
演劇は面白いけど、ネットということを考えると非常に後退しているジャンルでもあると思います。
僕は個人的にはポエトリーの界隈と仲がいいんですが、そのポエトリーの人たちがネットを使っていて、ポエトリースラムというポエトリーの対決をインターネットのテレビ(モグテレビ)でやったりします。
あとポエトリースラムジャパンという日本で一番の詩の朗読の大会があって、優勝するとフランスの世界大会に出場できるんですが、昨日まさにそのツイキャス予選というのがあったりもしました。
いま詩の界隈がネットですごいグイグイ来ているんです。
じゃあ演劇界隈、このせんがわ劇場からももっとネットを使った発信が出来たらいいなと思います。
僕は演劇が好きだけど、どうしても演劇がウェブ時代から取り残されている感じがするので。
これといっていいアイディアは今はないんですけど、とにかくなんとかしてバズらせないと、という意識があるので、そこに関われたらいいなと思います。
もちろんアウトリーチ事業も演劇文化をいかに発達させるか、どう社会に還元していくかという観点からするととても重要なので、そこにも関わりつつ演劇の寿命を少しでも伸ばせたらいいなと思います。
・ありがとうございます。最後になにか一言ありますか?
もうね、美少女は非常にすばらしい存在でございます。
美少女は、おそらく皆さんが思っている以上に非常に深い存在でありますので、美少女の深淵に来て頂けるとありがたいです。はい。
【公社流体力学 プロフィール】
美少女至上主義を掲げて一貫して美少女を称えている。美少女とは概念であり物質は関係ない。
表現手法である朗読見世物は、面白い朗読・一人芝居・漫談・声大きめの独り言等評される。
その他映像や脚本提供等している。
公式ページ
https://koushayuutai.web.fc2.com/
いやぁ、非常に明るくてよかったです。
昔友達と一緒にM-1グランプリに出たことがあって、何一つ受けなくてボケてもそのボケが空間に「無」にされるような感覚があって全然手ごたえを感じないっていうイメージが強くて僕お笑いは向いていないと思ってたんです。
でも今回は結構笑いが起きていて。
でも僕の中では今回の作品はジャンルとしてはコメディではなくて「百合恋愛SF」なんですけれども、ただ根が馬鹿なのでどうしてもボケを入れ込みたくなって。
終盤までギリギリ悩んだんですけど、「何を言う、早見優!」を入れるか入れまいか悩んでいて、「何を言う!」って言ったあの瞬間に「早見優って言おう!」と思って、いざ「早見優!」言ったら受けたので、「ああ、いいお客様だ」と思いました。
そういうくだらないギャグ、ホテルカリフォルニアの件も絶対入れたかったんです。おかげでM-1の悪夢を払拭出来ました。
・今回の各審査員からの講評を受けて、今自分の表現についてどのように考えていらっしゃいますか?
僕の表現は絶対ハードルをガンガンに下げた状態で観て頂くのが一番面白いと思うんですけども、今回ハードルがガンガン上がっちまったんで飛び越えられるかどうかすごい心配ですね。
ネガティブな発言ではあるんですけれども、やっぱり僕はいわゆる普通の演劇でなく、自分でさえ演劇なのかどうか分からないので「朗読見世物」と銘打ってとにかく好き勝手やってるようなところがあるので、遊びまわっていた人が急に「家庭に入れ」と言われてるような気分ですね。
「俺、かっちりしたこと出来るかな」っていう…。もちろん「かっちりしなくてもいい」って言ってくださるとは思うんですけれども。
でもやっぱりハードルが上がってしまった以上、「何をやってもいい」というのは本っっ当
に本当に究極的に「何をやってもいい」というところへ入らない限りたぶんダメだと思うんです。
僕が非常に敬愛かつ尊敬しているゴキブリコンビナートと宇宙論☆講座という二つの団体があって、そこは本当に究極的に何をやってもいいと思っている団体で。
宇宙論☆講座さんでおもしろかったのが、生ビールを飲みながらやる公演(『生ビールミュージカル』)の時に女優さん(新名亜子(秘密のユニット))が主宰の人(五十部裕明)に向かって「自分の団体だからって何やってもいいと思うなよ!!!」ってガチギレしてるシーンがあったんです。でもそれが本当に「何をやってもいい」を体現していて、本当におもしろかったなぁ、と、
なのでそういう「本当になんでもあり」が許されるような感じになりたいです。
・今回グランプリを受賞されて、今後の活動予定や展望、受賞記念公演についての予定についてお聞かせください。
とりあえず今決まっている一番近いものとしては、僕が脚本を書き下ろしている劇団ももいろ鉄ドールという団体の公演が11月に王子スタジオ1です。
脚本を書き始めるところからスタートなんですが、かぐや姫をモチーフにしてかぐや姫版インサイドヘッドみたいな作品を作れたらいいなと思います。
あとは渋谷RUBYROOMというバーで開催されているSPIRITというオープンマイクのイベントに出て新作を読みます。
あとポエトリースラムジャパンという詩の朗読の大会へも出場しようかなと考えていたりします。
来年の受賞記念公演は本当にどうしよう、客席が埋まるのかという心配もあるので…。
正直来年の展望は言えないというかわからないというか、どうすんだろうな、俺…。
ほんとうにアングラから急に上に引っ張り出されて、「あ、もぐらって急に地上に出されたらこういう気分だろうな」という気分ですね。
・せんがわ劇場で特にチャレンジしてみたいことはありますか?
やっぱり今演劇界がどんどん衰退していると思っています。
みんな一人一人が問題意識をもって活動していると思うんですけど、僕もそれなりに問題意識を持っていて。
では打開策は何か?と言ったら「ネットでバズることだ」と思うんです。
演劇は面白いけど、ネットということを考えると非常に後退しているジャンルでもあると思います。
僕は個人的にはポエトリーの界隈と仲がいいんですが、そのポエトリーの人たちがネットを使っていて、ポエトリースラムというポエトリーの対決をインターネットのテレビ(モグテレビ)でやったりします。
あとポエトリースラムジャパンという日本で一番の詩の朗読の大会があって、優勝するとフランスの世界大会に出場できるんですが、昨日まさにそのツイキャス予選というのがあったりもしました。
いま詩の界隈がネットですごいグイグイ来ているんです。
じゃあ演劇界隈、このせんがわ劇場からももっとネットを使った発信が出来たらいいなと思います。
僕は演劇が好きだけど、どうしても演劇がウェブ時代から取り残されている感じがするので。
これといっていいアイディアは今はないんですけど、とにかくなんとかしてバズらせないと、という意識があるので、そこに関われたらいいなと思います。
もちろんアウトリーチ事業も演劇文化をいかに発達させるか、どう社会に還元していくかという観点からするととても重要なので、そこにも関わりつつ演劇の寿命を少しでも伸ばせたらいいなと思います。
・ありがとうございます。最後になにか一言ありますか?
もうね、美少女は非常にすばらしい存在でございます。
美少女は、おそらく皆さんが思っている以上に非常に深い存在でありますので、美少女の深淵に来て頂けるとありがたいです。はい。
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表現手法である朗読見世物は、面白い朗読・一人芝居・漫談・声大きめの独り言等評される。
その他映像や脚本提供等している。
公式ページ
https://koushayuutai.web.fc2.com/
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