2016年04月12日
サンデー・マティネ・コンサートVol.157 ヴァイオリンコンサート 終演後インタビュー
3月27日に行われたサンデー・マティネ・コンサートVol.157は、H27年度最後ということで、ふだんは交替で司会役を務める音楽コーディネーターの松井先生、合田先生のお二人もそろって出演、にぎやかなコンサートになりました。
出演は井上静香さん(ヴァイオリン)と曽我彩子さん(ピアノ)。実はこのお二人、せんがわ劇場には何度もご出演いただいています。
2010年7月25日
Vol.51「クラシック名曲コンサート【ヴァイオリン】」
2011年7月18日
ファミリー音楽プログラムvol.2「子どものための演奏会入門/演奏会デビューコンサート」
2014年2月16日
Vol.120「ヴァレンタイン・コンサート」(井上さんのみ)
2015年1月18日
サンデー・マティネ・コンサートPlus+ Vol.8「兵士の物語」(井上さんのみ)
お二人のコンビで3回目、井上さん単独では何と5回目の出演で、せんがわ劇場のスタッフともすっかり顔なじみです。しかし、井上さんは今年の6月からアメリカに拠点を移されるため、これまでのようには出演していただけなくなるかな…と、すこし寂しい気持ちを持ちつつ、終演後にお話を伺いました。

出演は井上静香さん(ヴァイオリン)と曽我彩子さん(ピアノ)。実はこのお二人、せんがわ劇場には何度もご出演いただいています。
2010年7月25日
Vol.51「クラシック名曲コンサート【ヴァイオリン】」
2011年7月18日
ファミリー音楽プログラムvol.2「子どものための演奏会入門/演奏会デビューコンサート」
2014年2月16日
Vol.120「ヴァレンタイン・コンサート」(井上さんのみ)
2015年1月18日
サンデー・マティネ・コンサートPlus+ Vol.8「兵士の物語」(井上さんのみ)
お二人のコンビで3回目、井上さん単独では何と5回目の出演で、せんがわ劇場のスタッフともすっかり顔なじみです。しかし、井上さんは今年の6月からアメリカに拠点を移されるため、これまでのようには出演していただけなくなるかな…と、すこし寂しい気持ちを持ちつつ、終演後にお話を伺いました。

―お疲れ様でした!せんがわ劇場には何度も出てくださっているお二人ですが、今日はいかがでしたか?
井上 今日のコンサートは本当に盛りだくさんな内容でしたけれど、特に『浜辺の歌』では、松井先生のお話のおかげで、私たちのイマジネーションがより一層ふくらんで「演奏が変わった」という経験ができて、貴重なコンサートでした。楽しかった!
曽我 今、静香さんがおっしゃったように、私も静香さんによるそれぞれの曲の解説や、松井先生による「浜辺の歌」のエピソードをステージ上で聞いて、その場で曲のイメージが変わり、事前に用意していたものとは雰囲気を変えて弾いたというか、勝手に変わってしまいました。あんな風にステージ上でコロッと変わってしまうなんて、めったにないことなので、とても貴重なライブならではの経験でした。それに、お客さまが本当に温かく、うんうんという感じでうなずいてくださったりして、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
井上 (曽我さんの言葉にしきりにうなずきながら)本当だよね。

ここで、お二人のお話に出てくる「松井先生のお話」について解説します。
今回の選曲の1つ、「浜辺の歌」の歌詞。
私たちが一般的に知っているのは以下の通りなのですが、実はこれ、作詞者 林古渓のオリジナルとは違っているのだそうです。
1 あした浜辺をさまよえば
昔のことぞ しのばるる
風の音よ 雲のさまよ
寄する波も 貝の色も
2 ゆうべ浜辺をもとおれば
昔の人ぞ しのばるる
寄する波よ 返す波よ
月の色も 星のかげも
3 疾風(はやち)たちまち波を吹き
赤裳(あかも)のすそぞ ぬれひじし
病みし我はすでにいえて
浜辺の真砂(まさご) まなごいまは
本来は4番まであったそうなのですが、出版の際に、本来の3番の前半2行と、4番の後半2行を勝手にくっつけられて(!)しまったのだそう。確かにそういわれれば、2行目と3行目のつながりが悪い気がします。
後年息子さんが訂正の提案をした時には、作詞者本人も「もう忘れてしまった」と語っていたらしく、本来の歌詞は謎のまま、もう決してわからないのです。著作権という概念が薄かった時代とはいえ、すごいですね…。
そう聞くと、消えてしまった歌詞が気になるところですが、ここで、井上さんと曽我さんがびっくりしたエピソードが松井先生から語られました。
① 実はこの歌は、湘南海岸で結核の転地療養していた林古渓の恋人をうたったもので、消えてしまった部分に古渓の深い想いがつづられているのではないかと言われている。
② 作曲者の成田爲三は、この曲を当時の想い人にささげた。しかし既に婚約していた彼女から譜面を送り返され、悲恋に終わってしまった。(この話は、ほんの10年ほど前に明らかになったのだそうです)
ステージ上も客席も目からウロコの、知られざるエピソード。
「浜辺の歌」はラブソングであった。
お二人が準備してきた演奏の構想を、一気に変えてしまう力がありました!
ではお話に戻りましょう。
―お二人は、コンビでのご出演だけでも3回を数える名コンビですが、ふだんからよく共演なさっているんですか?
井上 そうでもないんですけど、曽我さんは本当に温かく、なんでも「いいよ」って言ってくださるので、お願いしやすいんです。
曽我 お友達ですから(笑)
井上 同じ仙川住民ということもありますし(笑)
曽我 通じ合うものがありますね。
―さて、井上さんは6月にアメリカにいらっしゃいますが、期限を区切って、ということではなく、ずっと行かれるのですか?
井上 そうですね。今は東京に住んでいるけれど、拠点をアメリカに移すという感覚で行きます。ですので、期限はなしで(アメリカと日本を)行ったり来たりしようかなと思っています。
―では今は準備でお忙しいですね。
井上 落ち着かないと言えば落ち着かないですけれど(笑)確かにバタバタしています。
―曽我さんは、今後も日本を拠点に活動なさるんですね?
曽我 はい、東京にいます!
―またいつか、お二人の出演記録を更新していただけると素敵ですね、いかがでしょう?
井上・曽我 もちろん、ぜひぜひ!
今回は、有名な曲の知られざる一面を知り、インスピレーションを得た演奏者が新たな演奏を生み出す瞬間に立ちあえるという、貴重なコンサートにもなりました。ありがとうございました!

井上 今日のコンサートは本当に盛りだくさんな内容でしたけれど、特に『浜辺の歌』では、松井先生のお話のおかげで、私たちのイマジネーションがより一層ふくらんで「演奏が変わった」という経験ができて、貴重なコンサートでした。楽しかった!
曽我 今、静香さんがおっしゃったように、私も静香さんによるそれぞれの曲の解説や、松井先生による「浜辺の歌」のエピソードをステージ上で聞いて、その場で曲のイメージが変わり、事前に用意していたものとは雰囲気を変えて弾いたというか、勝手に変わってしまいました。あんな風にステージ上でコロッと変わってしまうなんて、めったにないことなので、とても貴重なライブならではの経験でした。それに、お客さまが本当に温かく、うんうんという感じでうなずいてくださったりして、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
井上 (曽我さんの言葉にしきりにうなずきながら)本当だよね。

ここで、お二人のお話に出てくる「松井先生のお話」について解説します。
今回の選曲の1つ、「浜辺の歌」の歌詞。
私たちが一般的に知っているのは以下の通りなのですが、実はこれ、作詞者 林古渓のオリジナルとは違っているのだそうです。
1 あした浜辺をさまよえば
昔のことぞ しのばるる
風の音よ 雲のさまよ
寄する波も 貝の色も
2 ゆうべ浜辺をもとおれば
昔の人ぞ しのばるる
寄する波よ 返す波よ
月の色も 星のかげも
3 疾風(はやち)たちまち波を吹き
赤裳(あかも)のすそぞ ぬれひじし
病みし我はすでにいえて
浜辺の真砂(まさご) まなごいまは
本来は4番まであったそうなのですが、出版の際に、本来の3番の前半2行と、4番の後半2行を勝手にくっつけられて(!)しまったのだそう。確かにそういわれれば、2行目と3行目のつながりが悪い気がします。
後年息子さんが訂正の提案をした時には、作詞者本人も「もう忘れてしまった」と語っていたらしく、本来の歌詞は謎のまま、もう決してわからないのです。著作権という概念が薄かった時代とはいえ、すごいですね…。
そう聞くと、消えてしまった歌詞が気になるところですが、ここで、井上さんと曽我さんがびっくりしたエピソードが松井先生から語られました。
① 実はこの歌は、湘南海岸で結核の転地療養していた林古渓の恋人をうたったもので、消えてしまった部分に古渓の深い想いがつづられているのではないかと言われている。
② 作曲者の成田爲三は、この曲を当時の想い人にささげた。しかし既に婚約していた彼女から譜面を送り返され、悲恋に終わってしまった。(この話は、ほんの10年ほど前に明らかになったのだそうです)
ステージ上も客席も目からウロコの、知られざるエピソード。
「浜辺の歌」はラブソングであった。
お二人が準備してきた演奏の構想を、一気に変えてしまう力がありました!
ではお話に戻りましょう。
―お二人は、コンビでのご出演だけでも3回を数える名コンビですが、ふだんからよく共演なさっているんですか?
井上 そうでもないんですけど、曽我さんは本当に温かく、なんでも「いいよ」って言ってくださるので、お願いしやすいんです。
曽我 お友達ですから(笑)
井上 同じ仙川住民ということもありますし(笑)
曽我 通じ合うものがありますね。
―さて、井上さんは6月にアメリカにいらっしゃいますが、期限を区切って、ということではなく、ずっと行かれるのですか?
井上 そうですね。今は東京に住んでいるけれど、拠点をアメリカに移すという感覚で行きます。ですので、期限はなしで(アメリカと日本を)行ったり来たりしようかなと思っています。
―では今は準備でお忙しいですね。
井上 落ち着かないと言えば落ち着かないですけれど(笑)確かにバタバタしています。
―曽我さんは、今後も日本を拠点に活動なさるんですね?
曽我 はい、東京にいます!
―またいつか、お二人の出演記録を更新していただけると素敵ですね、いかがでしょう?
井上・曽我 もちろん、ぜひぜひ!
今回は、有名な曲の知られざる一面を知り、インスピレーションを得た演奏者が新たな演奏を生み出す瞬間に立ちあえるという、貴重なコンサートにもなりました。ありがとうございました!

【第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサート 松本悠里さんインタビュー】
【第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサート 五条玲緒インタビュー】
サンデー・マティネ・コンサートvol.216
サンデー・マティネ・コンサートvol.215 世界の楽器シリーズ
ファミリー音楽プログラムvol.23 演奏会入門コンサート
サンデー・マティネ・コンサート vol.214 〈未来のホープコンサートvol.24〉
【第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサート 五条玲緒インタビュー】
サンデー・マティネ・コンサートvol.216
サンデー・マティネ・コンサートvol.215 世界の楽器シリーズ
ファミリー音楽プログラムvol.23 演奏会入門コンサート
サンデー・マティネ・コンサート vol.214 〈未来のホープコンサートvol.24〉
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。