2019年12月21日
【第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサート 松本悠里さんインタビュー】
前回の五条さんのインタビューに引き続き、同じく1月25日のジョイント・リサイタルに出演される松本悠里さんにインタビューしました。

-改めまして、第8回せんがわピアノオーディションにおいて優秀賞受賞おめでとうございます。受賞が決まったときの感想をお聞かせ頂けますか?
(松本)ただ、ただ、驚きました。嬉しいっていう気持ちもあったんですけど、それ以上に、「えっ」みたいな。自分が納得した演奏が出来たとは思っていなくて、でも、自分の中で、一生懸命曲の魅力を伝えようと思って演奏はしたんですが。みなさん素晴らしかったので。自分がこういう機会を頂けるとは本当に思っていませんでした。
-このオーディションは、なぜ受けられようと思ったんですか?
(松本)きっかけは、まず、リサイタルを開催して頂けるという点ですが、大学とかでチラシを見たこともあって、こういうオーディションがあるんだと。ただ、例年レベルの高い素晴らしいピアニストの方が出演されていたのを知っていたので、自分のレベルアップを図るためにも挑戦しようかなと。
-ピアノはいつから始められたんですか?
(松本)4歳の頃です。
-きっかけとかあったんですか?
(松本)特にこれというきっかけはなかったんですが、2歳上の兄がヴァイオリンをやっていて。それで、ピアノをやってみたらと両親に勧められて。両親は特に音楽をやっていなかったので。
-本格的にピアノの道を進もうと決心したのは?
(松本)高2の終わりです。実は、一度、中学3年の時に、音楽高校に進もうか考えたこともあったんですが。私は、中学から中高一貫校の立命館に通っておりまして。もっと幅広く勉強したくて。学校も楽しかったということもあったし。その時は、音楽に絞らず、色々なことを勉強したいなということで。
-でも音楽大学には進みたい。
(松本)もともと、高校1年秋頃から、大学もある学校なので、どの学部を受けますかとか、他大学を受験しますかなど、色々な選択肢がありますよという進路説明会を月に1回くらい受けていて。大学には、音楽学部がなかったので、大学に進学すると音楽の道はあきらめなければならなくて。でも、自分はピアノをずっとやってきて。まだ、音楽中心の生活をしたことないのに、ここで離れてしまうのは、自分的に1度きりの人生悔いが残るような。ピアノ好きだったし、もっと上手くなりたいと思っていて。
-現在は、東京音楽大学の大学院生ですね。
(松本)修士課程の1年に在学しております。
-大学院ではどのような勉強をしているんですか?
(松本)大学よりさらに一歩踏み込んだ勉強をしていると思います。室内楽とかもありますし、演奏の訴求力というか、表現のために、作品に対する理解を深める楽曲分析なども勉強しています。
-通われているのは、今春開校した中目黒の新校舎。
(松本)はい。セキュリティーがすごく充実していて、練習室の数も増えて。ホールも新しくなって。
-普段、お休みの日とか何しているんですか?
(松本)映画を見たり。一時期はモノづくりにはまっていて、割とインドアなタイプなんですけど、ペンチとか使ってイヤリングを作ったりしてた時もありました。映画はジャンルなく、洋画も邦画も見るのが好きで。最近は、アマゾンプライムで「I feel pretty人生最大のハプニング」という割とポジティブな映画が好きです。
-さて、今回、
シューベルトとリストの作品を演奏して頂きますが、チラシのコメントではシューベルトについてお話下さいました。こういう演奏会では、どうしても曲調が派手なリストについて語られるピアニストが多いと思いますが、今回の選曲についてお聞かせ頂けますか?
(松本)シューベルトの作品は、今、自分に足りないもの、自分が勉強したいなと思っているジャンルなんです。譜面上は、確かに読みやすいですけど、楽譜を深く読み込むこと、深くて大人な作品を勉強したいなと。そう思っている時に、先生とお話しながら決めました。
-シューベルトのピアノ曲は、ソナタなどもありますし、即興曲集も2つありますが、なぜこの作品を?
(松本)もう一つの即興曲集(D.935)も勉強しようと思っていたというか、むしろ最初はそっちの作品を勉強しようと思っていたんです。でも、私は、実は手がそんなに大きくなくて、もう一つの作品ですと自分の手の内に収まらない。でも、手が小さい分、選曲にはこだわりをもっていて。オーディションではプロコフィエフのソナタの第5番という作品を弾いたんですけど。プロコフィエフのソナタっていうと、皆さん、「戦争ソナタ」とか大きな作品を弾かれますけど。私は、手が大きくないからこそ、人とちょっと変わった選曲をして、その分、作品の魅力を、大きな作品ほど知られていないからこそ、深く勉強してというのを持ち味としようと考えていて。自分が一番、手の状態もベストな状態で挑める、深く勉強できる、コントロールできる作品となったときに、シューベルトの即興曲だと今回演奏するD.899。
さらに、この作品って1827年という、シューベルトがなくなる一年前に書かれた作品なんですけど、この年ってベートーヴェンが亡くなった年でもあって、まさしく古典派からロマン派へ時代が移り変わるときの作品というか。古典派の様式をとりいれつつ、ロマン派的な繊細さもある音楽、シューベルト特有の繊細さも残っているという魅力が私に一番伝わってきて。
-コンサートでの聴きどころを教えて下さい。
(松本)シューベルトの作品では、旋律と旋律を支え合っている伴奏部分が隣り合わせになっていて、この2つを調和させながら、多彩な和声の色彩感がもたせられるように日々練習しています。そこが発揮出来たらいいなと思っているので。曲の魅力を一緒に共有出来たらいいなと。
-リストでは?
(松本)この作品は、私が大学の卒業試験に弾いた思い入れもある作品で。シューベルトとは対照的なジブシーっぽい音楽です。最初はちょっとエキゾチックで、最後は華やかになる。その対比が聴きどころです。
-これからどのようなピアニストになりたいですか?
(松本)もちろん、目標は高くもとうと思っていて、これからも色々なコンクールなどに挑戦していきたいと思っているんですけど。
私が、大学に入ったとき、私の先生のラフマニノフのピアノ協奏曲を生で聴く機会があったんです。これまでも色々なリサイタルに行ってきて、もちろんどれも素晴らしかったんですが。その時は、素晴らしいという思い以上に、なんというか心を動かされて、感動したんです。そんな風に人に感動というか、聴いている人が幸せになるというか、心を動かせるような演奏家になれたらなと思っています。
-身近な先生に自分の理想的な姿を見つけられることが出来るということがまず素敵ですね。コンサートも大変期待しております。
(松本)ありがとうございます。

今回、例年とは違う取り組みとしてインタビューを掲載するきっかけとなったのが実は松本さん。チラシの写真での凛とした、演奏家らしい意思を感じさせる姿や彼女のコメントから、もう一歩、彼女が何を感じているのか、ピアニストとしての本音に迫りたいという思いが今回のインタビューに繋がりました。インタビュー中は、物腰柔らかく、どう回答したらいいかメモ用紙が真っ黒になるまで考えてきて下さるほど謙虚で真面目な方ですが、しっかりと自分と向き合い、自分の表現の方向性を見出している若手ピアニストです。ご期待下さい。
【第8回せんがわピアノオーディション 受賞コンサート】
【ジョイント・リサイタル】
日時:2020年1月25日14時開演
出演:五条玲緒、松本悠里
場所:調布市せんがわ劇場
チケット:500円
詳細はせんがわ劇場HPで!
https://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/23192.html
-改めまして、第8回せんがわピアノオーディションにおいて優秀賞受賞おめでとうございます。受賞が決まったときの感想をお聞かせ頂けますか?
(松本)ただ、ただ、驚きました。嬉しいっていう気持ちもあったんですけど、それ以上に、「えっ」みたいな。自分が納得した演奏が出来たとは思っていなくて、でも、自分の中で、一生懸命曲の魅力を伝えようと思って演奏はしたんですが。みなさん素晴らしかったので。自分がこういう機会を頂けるとは本当に思っていませんでした。
-このオーディションは、なぜ受けられようと思ったんですか?
(松本)きっかけは、まず、リサイタルを開催して頂けるという点ですが、大学とかでチラシを見たこともあって、こういうオーディションがあるんだと。ただ、例年レベルの高い素晴らしいピアニストの方が出演されていたのを知っていたので、自分のレベルアップを図るためにも挑戦しようかなと。
-ピアノはいつから始められたんですか?
(松本)4歳の頃です。
-きっかけとかあったんですか?
(松本)特にこれというきっかけはなかったんですが、2歳上の兄がヴァイオリンをやっていて。それで、ピアノをやってみたらと両親に勧められて。両親は特に音楽をやっていなかったので。
-本格的にピアノの道を進もうと決心したのは?
(松本)高2の終わりです。実は、一度、中学3年の時に、音楽高校に進もうか考えたこともあったんですが。私は、中学から中高一貫校の立命館に通っておりまして。もっと幅広く勉強したくて。学校も楽しかったということもあったし。その時は、音楽に絞らず、色々なことを勉強したいなということで。
-でも音楽大学には進みたい。
(松本)もともと、高校1年秋頃から、大学もある学校なので、どの学部を受けますかとか、他大学を受験しますかなど、色々な選択肢がありますよという進路説明会を月に1回くらい受けていて。大学には、音楽学部がなかったので、大学に進学すると音楽の道はあきらめなければならなくて。でも、自分はピアノをずっとやってきて。まだ、音楽中心の生活をしたことないのに、ここで離れてしまうのは、自分的に1度きりの人生悔いが残るような。ピアノ好きだったし、もっと上手くなりたいと思っていて。
-現在は、東京音楽大学の大学院生ですね。
(松本)修士課程の1年に在学しております。
-大学院ではどのような勉強をしているんですか?
(松本)大学よりさらに一歩踏み込んだ勉強をしていると思います。室内楽とかもありますし、演奏の訴求力というか、表現のために、作品に対する理解を深める楽曲分析なども勉強しています。
-通われているのは、今春開校した中目黒の新校舎。
(松本)はい。セキュリティーがすごく充実していて、練習室の数も増えて。ホールも新しくなって。
-普段、お休みの日とか何しているんですか?
(松本)映画を見たり。一時期はモノづくりにはまっていて、割とインドアなタイプなんですけど、ペンチとか使ってイヤリングを作ったりしてた時もありました。映画はジャンルなく、洋画も邦画も見るのが好きで。最近は、アマゾンプライムで「I feel pretty人生最大のハプニング」という割とポジティブな映画が好きです。
-さて、今回、
(松本)シューベルトの作品は、今、自分に足りないもの、自分が勉強したいなと思っているジャンルなんです。譜面上は、確かに読みやすいですけど、楽譜を深く読み込むこと、深くて大人な作品を勉強したいなと。そう思っている時に、先生とお話しながら決めました。
-シューベルトのピアノ曲は、ソナタなどもありますし、即興曲集も2つありますが、なぜこの作品を?
(松本)もう一つの即興曲集(D.935)も勉強しようと思っていたというか、むしろ最初はそっちの作品を勉強しようと思っていたんです。でも、私は、実は手がそんなに大きくなくて、もう一つの作品ですと自分の手の内に収まらない。でも、手が小さい分、選曲にはこだわりをもっていて。オーディションではプロコフィエフのソナタの第5番という作品を弾いたんですけど。プロコフィエフのソナタっていうと、皆さん、「戦争ソナタ」とか大きな作品を弾かれますけど。私は、手が大きくないからこそ、人とちょっと変わった選曲をして、その分、作品の魅力を、大きな作品ほど知られていないからこそ、深く勉強してというのを持ち味としようと考えていて。自分が一番、手の状態もベストな状態で挑める、深く勉強できる、コントロールできる作品となったときに、シューベルトの即興曲だと今回演奏するD.899。
さらに、この作品って1827年という、シューベルトがなくなる一年前に書かれた作品なんですけど、この年ってベートーヴェンが亡くなった年でもあって、まさしく古典派からロマン派へ時代が移り変わるときの作品というか。古典派の様式をとりいれつつ、ロマン派的な繊細さもある音楽、シューベルト特有の繊細さも残っているという魅力が私に一番伝わってきて。
-コンサートでの聴きどころを教えて下さい。
(松本)シューベルトの作品では、旋律と旋律を支え合っている伴奏部分が隣り合わせになっていて、この2つを調和させながら、多彩な和声の色彩感がもたせられるように日々練習しています。そこが発揮出来たらいいなと思っているので。曲の魅力を一緒に共有出来たらいいなと。
-リストでは?
(松本)この作品は、私が大学の卒業試験に弾いた思い入れもある作品で。シューベルトとは対照的なジブシーっぽい音楽です。最初はちょっとエキゾチックで、最後は華やかになる。その対比が聴きどころです。
-これからどのようなピアニストになりたいですか?
(松本)もちろん、目標は高くもとうと思っていて、これからも色々なコンクールなどに挑戦していきたいと思っているんですけど。
私が、大学に入ったとき、私の先生のラフマニノフのピアノ協奏曲を生で聴く機会があったんです。これまでも色々なリサイタルに行ってきて、もちろんどれも素晴らしかったんですが。その時は、素晴らしいという思い以上に、なんというか心を動かされて、感動したんです。そんな風に人に感動というか、聴いている人が幸せになるというか、心を動かせるような演奏家になれたらなと思っています。
-身近な先生に自分の理想的な姿を見つけられることが出来るということがまず素敵ですね。コンサートも大変期待しております。
(松本)ありがとうございます。
今回、例年とは違う取り組みとしてインタビューを掲載するきっかけとなったのが実は松本さん。チラシの写真での凛とした、演奏家らしい意思を感じさせる姿や彼女のコメントから、もう一歩、彼女が何を感じているのか、ピアニストとしての本音に迫りたいという思いが今回のインタビューに繋がりました。インタビュー中は、物腰柔らかく、どう回答したらいいかメモ用紙が真っ黒になるまで考えてきて下さるほど謙虚で真面目な方ですが、しっかりと自分と向き合い、自分の表現の方向性を見出している若手ピアニストです。ご期待下さい。
【第8回せんがわピアノオーディション 受賞コンサート】
【ジョイント・リサイタル】
日時:2020年1月25日14時開演
出演:五条玲緒、松本悠里
場所:調布市せんがわ劇場
チケット:500円
詳細はせんがわ劇場HPで!
https://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/23192.html
2019年12月20日
【第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサート 五条玲緒インタビュー】
いよいよ第8回せんがわピアノオーディション受賞コンサートが約一か月後に迫ってきました。今回は、オーディションにおいて優秀賞を受賞され、2020年1月25日のジョイント・リサイタルに出演される五条玲緒さんにインタビューしました。

-改めまして、8月のオーディションにおいて優秀賞と下田幸二賞の受賞おめでとうございます。
(五条)ありがとうございます。
-コンサートの準備はもう始められていますか?
(五条)始めています。初めて演奏するショスタコーヴィッチとラフマニノフの練習曲集の第6番を中心にという感じです。
-現在は、東京藝術大学の学生ですよね?
(五条)大学一年生です。
-まだ一年生ですか。
(五条)そうですね。
-大学生活はいかがですか?
(五条)高校も、僕は大学の隣にある附属高校に通っていて、高校の頃から上京して生活をしているので、環境としては、そこまで変わって、ストレスがかかることはなかったです。それでも高校から大学になると、毎日のスケジュールというか、時間のリズムが全然違うので。
-大学の方が自由になる?
(五条)日によって、全く違うというのが。今日は午後から行けばいい日、今日は朝から。高校は毎朝8時半から。そこの時間の管理というか、自分で自分の管理が大変ですね。
-今は一人暮らしですか?
(五条)藝大の寮があって。藝心寮というのですが。寮といっても個室でキッチンとかついていて、食事が出るわけじゃないので、普通に学生マンションという感じです。
-でも、友達がしょっちゅう部屋にやってくるとか?
(五条)いや、意外と僕の場合、そうでもなく、僕自身、意外と寮にいなくて。ピアノの練習室にこもったりしているので。
-練習は大学ですか?
(五条)大学と寮でも練習ができます。
-休みの日は?
(五条)僕は、プラモデルが好きで。小学生の時は、ガンプラっていってガンダムのプラモデルが好きでして。すごく簡単に作れるのがあって、そのあと少しブランクがあって、今度は戦車とか戦艦とか作るものに移っていきました。最近は時間がなくて作っていないんですけど。祖父が今も木製模型の仕事をしている影響もあって見るのも好きです。
-高校と大学どちらが楽しいですか?
(五条)どちらにもそれぞれの良さがあるので難しいですね。高校は、教室にみんながいて。さらに、音楽高校なので、そこで色んな楽器の人が教室で弾いていてっていう環境でもあって。それはそれでがやがや楽しいっていう感じがあって。大学は大学で自分の好きな授業を取れて。自分が好きなことをやれる楽しさがあって。比べるのは難しいですね。
-オーディションは今回で何回目の受験でしたか?
(五条)2回目です。前回が2年前で、高校2年の時でした。その時は、奨励賞と高橋多佳子賞を頂けました。
-このコンクールを知ったきっかけは?
(五条)僕が師事している黒田亜樹先生の紹介がきっかけだったと思います。
-リサイタルが出来るからいいんじゃないみたいな
(五条)そうですね。
-そして、遂に受賞コンサートに繋がったんですね。
-受賞コンサートですが、
今回のプログラムはロシア人の作曲家3人の作品で構成されていますが、これはどのようにして決められたのですか?
(五条)もう、僕の完全な好みというか、なんていうか弾きたいもので選びました。
-いつもロシアの作曲家の作品が多いんですか?
(五条)そうですね。最近は。でも色んな作曲家が好きなんです。例えば、よくどの作曲家が一番好きなんですかとか聞かれるんですけど、いつも困っていて。どの作曲家も素晴らしいので。
-ロシアに限らずということですか?
(五条)限らずですね。昔は、今はショパンが好きですとか、ラフマニノフが好きですとか簡単に答えていたんですけど。色んな作品を聴くと、どれもすごい素晴らしい作品だと思っていて。
-良さが違いますよね。
(五条)そうですね。
-ロシアの作曲家の作品のどこが好きですか?
(五条)ラフマニノフとかスクリャービンとか、ロシアの作曲家の作品がみんなそうだとはわからないんですけど、音の和音の重厚な響きの感じとかが好きで。ショスタコーヴィッチもそういうところがあるかなと思うんですけど。メロディーというより、和音ですね。和音の響き。
-また、ベートーヴェンやブラームスの作品とは違う重々しさを感じる。
(五条)そうですね。
-コンサートでの聴きどころを教えて下さい。
(五条)この3つの曲のなかでは、特に、後半の2つの作品が、僕は好きでして。
まず、ラフマニノフは、「練習曲」というタイトルですが、作品として素晴らしくて。4曲弾くんですが、4曲続けて聞いた時のつながりの中に、ちょっとストーリー的なものを感じて頂けるように考えました。それを聴いて頂けると面白いというかいい感じなると思います。
スクリャービンは、今回演奏する作品の後、もっと調性の感覚がなくなっていく作風となるのですが、この作品では、丁度その前の時代と後の時代の作風の良さがミックスされたような作品です。僕にとっては、初めて聴いた時から大好きな曲なので、その良さを表現できればと思っております。
-これからどのようなピアニストになりたいですか?
(五条)そうですね。今は、目標は高くしようと思っておりまして。
-高くいきましょう!
(五条)言うのもおこがましいですが、最近、11月頭頃、(世界的に有名なピアニストの)アンドラーシュ・シフのベートーヴェンピアノ協奏曲全曲演奏のコンサートに行ったんです。僕が聴いたのは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の第1番と第5番なのですが、すごく感動して、すごい鮮やかに弾かれていて、すごい音楽的で、お客様も皆喜んで、スタンディングオべーションで。こんな演奏出来たらなと思ったんですよね。お客様に対して、どういう感情か分からないんですけど、心の変化を与えられるような。
-素敵な目標ですね。受賞コンサートは、その道のりの始まりになるよう期待しております。
(五条)ありがとうございます。頑張ります。

とても、純粋で優しい好青年という印象の五条さん。しかし、オーディションでの演奏は、会場全体を一気に引き込む力強さを感じさせるものでした。ジョイントコンサートもぜひご期待下さい。
【第8回せんがわピアノオーディション 受賞コンサート】
【ジョイント・リサイタル】
日時:2020年1月25日(土)14時開演
場所:調布市せんがわ劇場
出演:五条玲緒、松本悠里
チケット:500円
詳細はせんがわ劇場HPで!
https://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/23192.html
-改めまして、8月のオーディションにおいて優秀賞と下田幸二賞の受賞おめでとうございます。
(五条)ありがとうございます。
-コンサートの準備はもう始められていますか?
(五条)始めています。初めて演奏するショスタコーヴィッチとラフマニノフの練習曲集の第6番を中心にという感じです。
-現在は、東京藝術大学の学生ですよね?
(五条)大学一年生です。
-まだ一年生ですか。
(五条)そうですね。
-大学生活はいかがですか?
(五条)高校も、僕は大学の隣にある附属高校に通っていて、高校の頃から上京して生活をしているので、環境としては、そこまで変わって、ストレスがかかることはなかったです。それでも高校から大学になると、毎日のスケジュールというか、時間のリズムが全然違うので。
-大学の方が自由になる?
(五条)日によって、全く違うというのが。今日は午後から行けばいい日、今日は朝から。高校は毎朝8時半から。そこの時間の管理というか、自分で自分の管理が大変ですね。
-今は一人暮らしですか?
(五条)藝大の寮があって。藝心寮というのですが。寮といっても個室でキッチンとかついていて、食事が出るわけじゃないので、普通に学生マンションという感じです。
-でも、友達がしょっちゅう部屋にやってくるとか?
(五条)いや、意外と僕の場合、そうでもなく、僕自身、意外と寮にいなくて。ピアノの練習室にこもったりしているので。
-練習は大学ですか?
(五条)大学と寮でも練習ができます。
-休みの日は?
(五条)僕は、プラモデルが好きで。小学生の時は、ガンプラっていってガンダムのプラモデルが好きでして。すごく簡単に作れるのがあって、そのあと少しブランクがあって、今度は戦車とか戦艦とか作るものに移っていきました。最近は時間がなくて作っていないんですけど。祖父が今も木製模型の仕事をしている影響もあって見るのも好きです。
-高校と大学どちらが楽しいですか?
(五条)どちらにもそれぞれの良さがあるので難しいですね。高校は、教室にみんながいて。さらに、音楽高校なので、そこで色んな楽器の人が教室で弾いていてっていう環境でもあって。それはそれでがやがや楽しいっていう感じがあって。大学は大学で自分の好きな授業を取れて。自分が好きなことをやれる楽しさがあって。比べるのは難しいですね。
-オーディションは今回で何回目の受験でしたか?
(五条)2回目です。前回が2年前で、高校2年の時でした。その時は、奨励賞と高橋多佳子賞を頂けました。
-このコンクールを知ったきっかけは?
(五条)僕が師事している黒田亜樹先生の紹介がきっかけだったと思います。
-リサイタルが出来るからいいんじゃないみたいな
(五条)そうですね。
-そして、遂に受賞コンサートに繋がったんですね。
-受賞コンサートですが、
(五条)もう、僕の完全な好みというか、なんていうか弾きたいもので選びました。
-いつもロシアの作曲家の作品が多いんですか?
(五条)そうですね。最近は。でも色んな作曲家が好きなんです。例えば、よくどの作曲家が一番好きなんですかとか聞かれるんですけど、いつも困っていて。どの作曲家も素晴らしいので。
-ロシアに限らずということですか?
(五条)限らずですね。昔は、今はショパンが好きですとか、ラフマニノフが好きですとか簡単に答えていたんですけど。色んな作品を聴くと、どれもすごい素晴らしい作品だと思っていて。
-良さが違いますよね。
(五条)そうですね。
-ロシアの作曲家の作品のどこが好きですか?
(五条)ラフマニノフとかスクリャービンとか、ロシアの作曲家の作品がみんなそうだとはわからないんですけど、音の和音の重厚な響きの感じとかが好きで。ショスタコーヴィッチもそういうところがあるかなと思うんですけど。メロディーというより、和音ですね。和音の響き。
-また、ベートーヴェンやブラームスの作品とは違う重々しさを感じる。
(五条)そうですね。
-コンサートでの聴きどころを教えて下さい。
(五条)この3つの曲のなかでは、特に、後半の2つの作品が、僕は好きでして。
まず、ラフマニノフは、「練習曲」というタイトルですが、作品として素晴らしくて。4曲弾くんですが、4曲続けて聞いた時のつながりの中に、ちょっとストーリー的なものを感じて頂けるように考えました。それを聴いて頂けると面白いというかいい感じなると思います。
スクリャービンは、今回演奏する作品の後、もっと調性の感覚がなくなっていく作風となるのですが、この作品では、丁度その前の時代と後の時代の作風の良さがミックスされたような作品です。僕にとっては、初めて聴いた時から大好きな曲なので、その良さを表現できればと思っております。
-これからどのようなピアニストになりたいですか?
(五条)そうですね。今は、目標は高くしようと思っておりまして。
-高くいきましょう!
(五条)言うのもおこがましいですが、最近、11月頭頃、(世界的に有名なピアニストの)アンドラーシュ・シフのベートーヴェンピアノ協奏曲全曲演奏のコンサートに行ったんです。僕が聴いたのは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の第1番と第5番なのですが、すごく感動して、すごい鮮やかに弾かれていて、すごい音楽的で、お客様も皆喜んで、スタンディングオべーションで。こんな演奏出来たらなと思ったんですよね。お客様に対して、どういう感情か分からないんですけど、心の変化を与えられるような。
-素敵な目標ですね。受賞コンサートは、その道のりの始まりになるよう期待しております。
(五条)ありがとうございます。頑張ります。
とても、純粋で優しい好青年という印象の五条さん。しかし、オーディションでの演奏は、会場全体を一気に引き込む力強さを感じさせるものでした。ジョイントコンサートもぜひご期待下さい。
【第8回せんがわピアノオーディション 受賞コンサート】
【ジョイント・リサイタル】
日時:2020年1月25日(土)14時開演
場所:調布市せんがわ劇場
出演:五条玲緒、松本悠里
チケット:500円
詳細はせんがわ劇場HPで!
https://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/23192.html