調布市 せんがわ劇場ブログ

第8回せんがわ劇場演劇コンクール出場団体の稽古場に、次世代芸術家グループのメンバーが訪問してインタビュー！全6団体、順不同でお届けします。

今回は、桒原秀一さんが成城学園前にある稽古場に伺って、演出の中澤陽さんにお話を伺いました。


「劇団の成り立ち」を教えてください。

中澤陽
2012年に小野彩加と共に「Pi & Co.」というプロジェクトを始め、作品毎に出演者とスタッフを探し集めて作品の制作を行って来ました。今回はコンクールに応募するということで、きちんとした「Spacenotblank」という団体として参加することにしました。
そして、僕自身の話になるのですが、もともと10代の頃は映画を作ろうと思って脚本を書いていたのですが、言葉を書くのが嫌になってしまい、そこから身体表現に興味を持ち始めたんです。言葉を用いず、ダンス的な舞台作品を作りたいと・・・。最近は、言葉を前面に押し出した作品を作りたいと思い始めています。作品は普段はせんがわ劇場のようにちゃんとした「劇場」というところではなく、オルタナティブなスペースやギャラリーなどで上演しています。

活動について聞かせてください。

中澤陽
「Pi & Co.」というプロジェクトで作る本公演としては、5年間で７作品。その他、プロジェクトとは別に小野のソロ作品や、僕と小野の共同制作作品もあります。
団体なのですが、常に団体として制作するわけではないんです。
今回は、僕が新たに言葉を使った作品を作りたいの思ったのと、小野がちょうど違う団体の作品に出演している為、コンセプトから僕ひとりで練って制作しています。

コンクール参加の動機は？

中澤陽
コンクールって馴染みがなくて、審査員の方々がいてっていうのを体験したいというか、じゃあこれまでなんでやってこなかったかっていうと、このコンクールのことを知らなかっただけっていう感じなんですけど、ともあれ審査員の方々に見てもらうってどんな感じだろうっていうことに興味があります。
実際このコンクールがあるってことは知っていたような気もするし、よくわからないんですけど。でもコンクールっていうものに参加したくて、それでちょうど見つけて、僕がやりたかった言葉を使った作品ができるなと思って、タイミング的にも。今後は言葉を使う作品をもう少し作ろうと思っています。以前の作品とかは半分喋って半分喋らなかったりだったので。


「demon Nation」　撮影：三浦庸古 　会場：RAFT


今回は、どんな作品でしょうか？

中澤陽
「出会いについての作品」っていうのが一番わかりやすいですね。「劇場」っていう空間が「出会いの場」として成り立っている。観客とか、出演者とか、スタッフとかも含めて、そういう人たちが交わっていくところで「出会いの話」をしたいなってのが、最初にあって。
作り方としては、出演者たちに「出会いについてどう思いますか？」という質問をして、それの答えをそのまま文章に起こしました。
この作品を見て頂く方達の、「出会い」についての考え方も知りたいって思います。出会いの瞬間とか。例えば、最初に出会った瞬間とか。
電車の中で目があったり、誰かに紹介された人だったり、これまでただの仕事仲間だった人が友達になったり、どの段階も「出会い」かなって思います。
そして作品を見ている観客と、見られている出演者たちも、その瞬間に出会えないかな、と思っています。

今後の展望は？

中澤陽
僕としては、言葉を使う作品をもう少し作っていきたいなっていうのがあって、ダンスを使った身体表現の作品ももちろんやっていきたいなっていうのもあって。
だから、作りたい作品は無限にあるので、展望というとなんというか。
団体というか個々としてもそうなんですけど、作品を作り続けていきたい。っていうのがシンプルな言葉ですかね。


（インタビュアーの感想）
緻密さと大胆さを兼ね備えた稽古場の空気感に圧倒されました。稽古場に入った瞬間に既に巻き込まれているような。不思議な、不思議な空間です。また、言葉の持つ力にも改めて気づかされる事も多く、これから本選に向けてどう仕上げてくるのかがとても楽しみです。

インタビュー：次世代芸術家グループ企画運営部 桒原秀一
インタビュー日：7月2日

7/16(日)　15:00　Spacenotblank　『Love Dialogue Now』
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