2016年09月09日
受賞者インタビュー(1) ナイスコンプレックス・キムラ真さん(オーディエンス賞)
―オーディエンス賞受賞おめでとうございます。感想はいかがですか。
キムラ ありがとうございます。いろいろなコンクールにもオーディエンス賞はあるのですが、他のコンクールではお客さんをいっぱい呼んだ団体がオーディエンス賞を貰えるんです。このコンクールの良いところは市民審査員の方々が6団体全部を見て、公平に作品だけで選んでいただいているところがありがたいなぁと思います。それでオーディエンス賞をいただいたのがとても嬉しいです。
―キムラさんは地元にお住まいですが、もう何年目ですか?
キムラ 仙川は5年ぐらいです。
―それでこのコンクールはよくご存知だったんですね。
キムラ 毎年やってますよね。何年か前まではテーマなんかもあって(FC東京や仙川にまつわる事など)。僕も出ようとずっと思っていたんです。仙川駅の前に桜の木があるんですが、あれはもともと違う場所にあって、すごいドラマがあるんです。それでエントリーしようと思ったけど、スケジュールが合わなくて・・・。いつか絶対出たいと思っていたんですが、今回やっと念願かなって出場することができました。
キムラ ありがとうございます。いろいろなコンクールにもオーディエンス賞はあるのですが、他のコンクールではお客さんをいっぱい呼んだ団体がオーディエンス賞を貰えるんです。このコンクールの良いところは市民審査員の方々が6団体全部を見て、公平に作品だけで選んでいただいているところがありがたいなぁと思います。それでオーディエンス賞をいただいたのがとても嬉しいです。
―キムラさんは地元にお住まいですが、もう何年目ですか?
キムラ 仙川は5年ぐらいです。
―それでこのコンクールはよくご存知だったんですね。
キムラ 毎年やってますよね。何年か前まではテーマなんかもあって(FC東京や仙川にまつわる事など)。僕も出ようとずっと思っていたんです。仙川駅の前に桜の木があるんですが、あれはもともと違う場所にあって、すごいドラマがあるんです。それでエントリーしようと思ったけど、スケジュールが合わなくて・・・。いつか絶対出たいと思っていたんですが、今回やっと念願かなって出場することができました。
―演劇に携わったのは大学の時ですか。
キムラ はい。北海道の釧路の教育大学にいた時にサークル活動で演劇に出会いました。でも田舎だったので、オリジナルの戯曲をやるという発想がなかったんです。でも既成の戯曲といっても、キャラメルボックスや野田秀樹さん、鴻上尚史さんとか有名な方の戯曲しか手に入らないので、それを上演していました。それでどんどん調べていくうちに、これを職業にしたいなと思うようになりました。
もともとは教員になりたいと思っていて、教育実習にも行ったんです。でも教育実習に行った時、たまたまかもしれませんが、先生方が子どもたちの方をあまり見ていなくて、授業方法とかに専念しているように思えたし、子どもたちは子どもたちで教師に夢を抱いていないと感じてしまったんです。僕が小学校の頃は先生はヒーローで、給食は楽しくて、休み時間はドッジボールをしてそこで友達ができて、楽しい場所だったんですが、それがなくて。
それで、子どもたちに目をキラキラさせるような夢を持たせるにはどうしたらいいのかなと思って見ていたら、彼らがあこがれているのは、テレビの中の映画だったり、アイドルだったり、スポーツ選手だった。それで自分もたくさんの人に見てもらえるようなところでやってみようと、また自分自身、(演劇を)やっていて楽しかったので、演劇のプロを目指して東京に来ました。
―東京にきて初めて舞台に立ったのはいつですか。
キムラ 24歳で東京に来ました。そして東京で初めて見た劇団で募集していたオーディションのチラシを見てすぐ応募しました。
―ご自分で劇団を立ち上げたのはいつですか。
キムラ もともと後藤ひろひとさん(劇作家・演出家・俳優)の『人間風車』や『ダブリンの鐘つきカビ人間』のような、誰が見ても、笑えて泣けてドラマ性があるものを創ってみたいと思って、役者というよりは、作演出でやってみたいと思っていました。
でも東京に出てきて知り合いもいないので、まず劇団に入ったんですが、そこが1年半後に解散した時、これで自分の作品ができると思いました。そこのスタッフや役者さんをそのまま、自分の劇団のメンバーとして立ち上げました。その時のメンバーはもういませんが、客演で出てくれた役者さんがそのまま劇団に入ってくれたり、一番長い人で10年になります。
―今回の作品はどのようにして作ろうと思ったんですか?
キムラ 今回の作品はこのコンクールのために創りました。8月の本公演(2016年8月10日~14日上演「かぜのゆくえ」)の前日譚、エピソードゼロみたいな感じで。
テーマは、岩手に実際にある「風の電話」。このことを知ってもらいたいと思ってテーマにすえました。もちろん、ただ知ってもらうのではなく、その周りにある人間の家族愛とか友情、人間のドラマを描きたいというベースがあります。
審査の時になぜ(「風の電話」という)メジャーなものをやるんですかと言われましたが、僕はそんなことないと思っているんです。調べる人、知っている人、専門的知識がある人は耳にするでしょうけど、うちの母親とか普通の一般の方は、なかなか耳にすることがなかったり、耳にしてもすぐ忘れてしまったりするので、僕はやるべきだなと思います。人間が好きなんですよね(笑)。
―公演を拝見して人間の一番深いところに信頼を寄せているというところがすごく伝わって来ますね。そうした中での今回の受賞で、いよいよ来年4月にはオーディエンス賞の受賞公演があります。意気込みはいかがですか。
キムラ 念願のせんがわ劇場での公演ですし、コンクールで使ってみてどういう機構なのかわかりましたので、ここでしかできないことをやろうと今から意気込んでいます。
―このコンクールのファイナリストは、せんがわ劇場の様々な事業に参加していただけるんですが、いかがですか。
キムラ とても魅力的ですね。僕もいろんな劇場でやったり、コンクールを体験したり、全国的なところも見ているのですが、意外と劇場の職員さんの趣味嗜好だけで決まるところが多いなと思います。それでは地域との関係がおかしくなる可能性もありますよね。
でもせんがわ劇場は、たくさんの方々がたくさんの目で見ている。公平に、かつ多種多様なジャンルを網羅できる、いろんな色になれるんじゃないかなと思います。これは他にはないし、すごく魅力的ですね。121席というキャパシティも一番使いやすいし、どんどん足を運んでもらえるような(場所だと思います)。
「ちい散歩」で仙川が特集された時に、この(劇場前の)通りのことを地井さんがフィーチャーしていて、この建物を誰が作ったのかとか、植えた樹が何年か後に森みたいになる風景を想像して建てられているということを知って、すごいなと思いました。楽器を持ちながらみんなが歩く街、芸術に近い街だということを、僕も住んでいて感じていますし、もっとみんなにも知ってもらいたいですね。
下北沢が演劇の街と言われていますが、仙川には、環境とか大学とか、そこに住んでいる人たちがより芸術に触れ合えることができるであろう未来があるんじゃないかな。だからせんがわ劇場がやっているコンクールとか企画というのはとても魅力的だと思います。
―ありがとうございます。最後になりますが、未来への展望や野望などがありましたらお聞かせください。
キムラ デートとか大事な日に、進んで演劇を観る環境にしたいですね。日本を(笑)。
―そうですね。そのためにせんがわ劇場のいろんな事業がありますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。
■ナイスコンプレックス http://naikon.jp/
次回公演
ナイスコンプレックス N26 『ゲズントハイト』~お元気で~
作・演出/キムラ真
2016年10月26日(水)~30(日) 会場:東京芸術劇場 シアターイースト
写真撮影:Koji Ota
2016/07/10
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