「公共劇場が主催し、一緒に仕事をするアーティストを探す」
コロナ禍の今、より社会に演劇が必要な理由、そして、劇場に人が集う意義が問われています。
演劇は不要不急の論理から言えば不必要になってしまいます。
だからこそ、私たち演劇人は「社会と繋がること」を考え、演劇の必要性をどう理解してもらうべきかを模索する必要がでてきました。
私が公共劇場に関わることになったきっかけは、このせんがわ劇場演劇コンクールでした。
このコンクールは「公共劇場が主催し、一緒に仕事をするアーティストを探す」という希少なものです。
今、このせんがわ劇場は、演劇ディレクターチームというチーム制で、演劇事業の企画運営をしています。
このディレクターチームの4名は、全員がコンクール出身者です。
そして、私たち以外にも過去10回のコンクール出身者を中心とした40名規模のDELという演劇人グループもあります。
演劇や劇場が生きる糧として地域に必要であるということを証明し、認知してもらう。
それを、公共劇場と一緒に考える。
今はそんな大いなる実験をしているのです。
この実験の仲間になってくれる人、そして、僕らの後を継いでくれる人。
それらの人々が集う切っ掛けとなるのが、このコンクールなのです。
多くの志ある演劇人に参加してほしいと思っています。
せんがわ劇場演劇ディレクターチーム
チーフディレクター 佐川大輔
演出家、俳優、ワークショップファシリテーター。THEATRE MOMENTS主宰。日本演出者協会国際部部長。劇団俳優座養成所へ入所後、フランス、ロシアなど海外の演出家に師事し、劇団を発足。第4回せんがわ劇場演劇コンクールにおいて、グランプリ、演出賞、オーディエンス賞を受賞。近年は中国、マレーシアなどへ招聘され、国際派劇団として活動の幅を広げている。また、学校での表現教育や、高校演劇全国大会の審査員など、青少年の演劇教育普及にも力を入れている。