コンクール直前インタビュー!(4)ナイスコンプレックス

せんがわ劇場

2016年07月10日 11:31

第7回せんがわ劇場演劇コンクール出場団体のみなさんにお聞きした、直前インタビュー!観劇の前後にぜひご覧ください!

Q:
お芝居はどうして始めたんですか?


キムラ:
大学で芝居を始めました。北海道の釧路にある大学だったんですが、僕は演劇以外にもバンドや、ボランティア活動、それに加えてバイトもしてたりと、とにかく色々なことをしたんですよ。で、それぞれを成り立たせるのは大変だったんですが、その中で演劇活動は、「そのままの自分」を受け入れてくれた気がして。

Q:
そのままの自分とは?


キムラ:
つまり、「今のお前でいいんだよ。」といってくれたような気がして。「そんなお前でも続けていいんだよ。」と、受容してくれる幅の広さが演劇にはあるなと思ったんです。劇団名の「ナイスコンプレックス」は「そのままの自分=コンプレックスも、個性としてナイスだぜ!」というような意味があるのですが、当時の経験から来ているのかもしれません。




Q:
なるほど。今はどのような作品を作っているのですか?


キムラ:
うちは、実際にあった事件や出来事をモチーフにし、その事件をそのまま上演するのではなくその周りにある人間の物語として作品を作っています。どこか身近な事件を扱うことで、「こんなこと、あなたにも起こるかも?」と観客に投げかけたいんです。僕、最近のニュースを見てて、タレントの不倫などはいっぱい扱われても、大事な事件の扱いは小さい気がしたんです。そんな報道に対し、疑問を感じて。ならば、例え、小劇場でも、僕らが演劇化することで、そこから波状的に社会に広がっていくんじゃないかなと思っています。僕らは、「アート」をやるというよりは、あまり普段お芝居を見ない人に向けて芝居を作っていて。僕は宮城県出身なんですけど、地方とかだと芝居なんて見る機会は、ほとんど無いんですよ。で、たまーに東京の劇団が芝居をするけど、なんか難しくてわからないってケースが多くて。そうすると、「芝居って難しそう。」って印象になっちゃう。だから、一見の人が見て「お芝居って面白いな。」と思ってもらえる作品を作る意識をしています。

Q:
コンクールの参加動機は?


キムラ:
実は今、仙川に住んでいるんですよ。この町がすごく好きで、劇場もあるのは知っていて。でも、せんがわ劇場も人気で、中々、空いていないじゃないですか。やりたくても予約できなくて。だから、コンクールに出ようって。

Q:
じゃ、地元の人のお知り合いも多いでしょう。


キムラ:
そうなんですよ。飲み屋の人とか(笑)でも、商店街のお店の人も知り合いがいます。

Q:
今回の見どころは?


キムラ:
今回は、岩手の大槌町というところに、「風の電話」というのがモチーフなんですが、それをフューチャーしています。復興というのがテーマのひとつなんで、悲しい話になりそうなんですが、それだけではなく、笑いも交えつつ、泣き笑いできる作品になっていると思います。あとは、今回は、劇団員だけでの公演なので、劇団力を見せれたらいいと思います。短編なので、一人ずつの出番は決して多くはないですが、だからこそ、俳優のたたずまいや、それぞれの個性を見せていきたいと思います。

Q:
今後の展望は?


キムラ:
全国的に名前が知られた劇団になることですね。そして、僕がそうだったように演劇が見られない地域が多いので、そういうところをツアーで回れるような大きな劇団になりたいです。あ、それから、せんがわの町を使って、演劇したいですね。寺山修二みたいな町演劇をせんがわでやったら、楽しそう。同時多発的に街中でパフォーマンスが行われて、待ちが劇場になったら、わくわくしません?

Q:
なるほど。


キムラ:
あ、それと、目の前の8月公演を成功させること。今回の作品は、8月にやる本公演の第0章という位置づけなんです。今回の30年後という設定なので、面白いと思った人は、是非8月もいらしていただきたいです!


(インタビュー:次世代芸術家グループ企画運営部 佐川大輔)


関連記事