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2019年07月07日

演劇コンクール・稽古場アンケート! 【キュイ】

第10回せんがわ劇場演劇コンクール出場団体の稽古場情報を配信!全6団体、順不同でお届けします。
今回は、【主宰】【綾門優季】さんにお話を伺いました。

①「劇団の成り立ち」を教えてください。
大学一年生の時に、雀の鳴き声ほどのかすかな声で世界の片隅から問いかける、みたいな意味で「Cui?」(現在はキュイ表記)を旗揚げしたのですが、3.11が直撃して俳優3人降板して公演半年延期になり、何もやってないのにチラシ代の赤字だけが残るという、散々なスタートでした。ただキュイ、人前で名乗るのも書くのも楽なのは利点のひとつですね。今は気に入っています。響きもいいですし。キュイ。

②活動について聞かせてください。
旗揚げから手を変え品を変え世界を嘲笑うような戯曲を書いていましたが、ただの性格の悪い奴と化していたので、2016年から作品ごとに組む演出家を変え、それによって戯曲の方向性も変えるスタイルに移行して、それが定着しつつあります。日本では、唯一とは言わないまでも珍しい在り方だと思っています。ただ今回の『蹂躙を蹂躙』については、世界を嘲笑うような戯曲に戻ってきてしまいました。

③コンクール参加の動機は?
スペースノットブランクさん、コトリ会議さん、ゆうめいさんなど気になっている劇団が複数参加していたので、好奇心が疼いたからです。あと、作と演出が分かれていて参加出来るコンクール自体、少ないということも大きいです。戯曲賞は何度か応募してとったり落ちたりしましたが、あれはポストに戯曲を入れたらあとはひとりで天に祈るしかないので、比べて上演審査のコンクールはヒリヒリ感が違いますね。

④今回は、どんな作品でしょうか?
最近物騒な事件が多いので、『蹂躙を蹂躙』は、思わず現実の出来事と重ね合わせて観てしまうような内容になったかもしれません。はじめはそういう意図はありませんでしたが、それでいい、と今は捉えています。被害者が悲しい、それはもちろんそうでしょう。しかし私たちは苦痛であっても、加害者の悲しさを遠いものとして排除せずに、理解しなければなりません。加害者を人じゃないように扱うかぎり、これからも物騒な事件は起こり続けるでしょう。だって彼は私たちと全く同じ人だから。そういう話です。

⑤今後の展望は?
展望のまるで見えない、一寸先は闇としか言いようのないこの劣悪な世界で、なんとか演劇をやり続けて死ぬことです。不謹慎に足がついて歩いているようなところがある作風なので、守ることに意味のないつまらないルールは、生きているあいだにひとつひとつ丹念に破壊していくことが展望といえば展望でしょうか。










【担当メモ】
先日綾門さんとお話する機会があった時、戯曲を書くときは自宅で、音楽を大音量でかけながら書くと言っていたのが印象に残りました。
コンクールの作品はどんな音楽をかけながら書いたのか、聞いてみたいと思います。

【キュイ:7月13日(土)13:30】 担当:うえもとしほ