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2018年11月10日

受賞者インタビュー(3)  コトリ会議 山本正典さん(劇作家賞)

山本正典


あらためましてこのたびは劇作家賞の受賞、おめでとうございます。二週間ほどたちましたが実感のほどはいかがでしょうか。

山本 あまり実感はないですね。初めてこういった賞をもらったので。

今回ご自分の作品が劇作家賞を取った要素って、何だったと思いますか。

山本 今回自分たちの作品がほかの作品よりも、ドラマ的な要素が多かったからではないかなと思います。

脚本のメインになるかと思うんですが、稽古場インタビューの際に地球が滅ぶくらいでないと大切な人のありがたみがわからない。とおっしゃっていたんですが・・・

山本 未来的な話だったり、人類、地球が滅ぶ手前、例えば宇宙人に支配されるとかそういうスケールが大きなことが好きなんです。そういったところから結構影響を受けている部分はあるかもしれないです。今回の「チラ美のスカート」は地球が滅ぶというのがテーマでしたが、これからはもう少し小さなテーマを扱っていきたいと思っています。
もともと大きいことを書こうとは思っていないんですが、ここ2~3年続いていていますね。今は六畳ほどの会話劇をしようかと思っています。

旗揚げ公演は既成台本で行い、2回目以降からは山本さんが作・演出を担当しているとお聞きしましたが、コトリ会議としての活動をはじめる前は執筆活動をされていましたか?
山本 ずっと役者として活動していましたが、一度だけ、別のユニット名で脚本、演出をしました。自身の役者修行の為と思ってやった事だったのですが、その座組みが面白くて、もう一度やろう、というのが、コトリ会議でした。

講評会や感想で、台詞がいいという意見が多かったのですが、こういった台詞はどこから生まれているのでしょうか?
山本 歩いている時、電車に乗っている時、景色の流れている時、ポッと生まれます。
頭の中のような、白目の中のような、舌の付け根のような、どこからと言われたら、それが近いと思います。

テーマなどを決められた状態で、頼まれて台本をかくようなことはありますか?ある場合、どんなところに注意して書かれていますか?ない場合、今後こういった機会があった際、挑戦してみたいと思いますか?
山本 依頼されて書くこと、あります。
注意することは、余計な、思考の殴り書きのようなト書きは控えて、伝わりやすいト書きを書く、です。そして、一つくらい、どうやってこんな表現をすればいいんだ、と悩ませるような台詞、ト書きを書く、です。

表彰式前インタビューで、仙川のコーヒーとラーメンを堪能したということでしたが、今回初めていらっしゃった仙川のイメージはどうでしたか?
山本 脚本家のために作られた街だ、と思いました。
台本を書こうと決めて、1日に4件喫茶店をハシゴする僕にとって、なんだか、馴染む街でした。
どう言ったらいいのか、なんというか、カフェが堂々としていて、良かったです。

■今後の活動予定
・11月には兵庫県で「現代演劇レトロスペクティヴ」に参加。
1960年代以降に発表された、時代を画した現代演劇作品を、関西を中心に活躍する演劇人によって上演し、再検証する企画。『ともだちが来た』『髪をかきあげる』の2本。

・来年2月には福岡で行われる『キビるフェス2019』に参加。
  


  • 2018年11月05日

    受賞者インタビュー(2)  ゆうめい 池田亮さん(特別賞)





    周りの方の反応はどうでしたか?

    池田 みんなおめでとうございますと言ってくれて、すごくうれしかったです。コンクールでは最初、自己紹介をやろうかなと考えていたんです。せんがわ劇場で「ゆうめい」を初めて観る人もいるから、自分たちが今までどういうものをやってきたのかを自己紹介という感じでやろうと思っていたので、そういう意味でも賞をいただけたのはうれしかったです。

    出場が決まったときから、自己紹介をテーマにされていたんですね。

    池田 最初は、コンクールという、言わばグランプリがあって上下がはっきりするものを経験しとかなきゃいけないっていう気持ちがありました。でも同時にコンクールは、別の団体を好きな人達も観に来てもらえるから、自分たちはこういうのをやっている団体ですって紹介したかった。そういう思いはありました。

    今回特別賞でしたけど、それについてはどう思われました?

    池田 まず特別賞ってなんだろうと疑問に思いましたけど、賞がもらえたのはうれしかったです。ただ、僕は他の作品もみて各々が特別だったと思っていましたから、その中で自分たちだけが特別賞っていうのがうれしくもあり、同時に僕たちがとってしまっていいのか、でも賞レースだから仕方ないと思ったり。
     最近いろんな仕事、それこそバーチャルユーチューバーの仕事や、テレビアニメをやったりすると、演劇でできることなにかなと思っちゃったりすることが、けっこうあるんです。というのも本当にクオリティが高いと思ってて、ユーチューブだったりアニメだったり海外のドラマだったり。自宅にいて生の感覚を目の前で味わわなくてもいいかなと思うくらい、想像力を広げるコンテンツを作ってる人達が沢山いて、そこに自分が負けちゃいそうな危惧がある。だから「演劇ってこういうこともできるし、楽しんでもらえるかもしれません」というのを作って、他のジャンルにめっちゃはまっている人達にも、新しいものを観にきてほしい、楽しんでもらいたいという思いがありました。

    もともとは彫刻をされていた、現在もアニメやバーチャルユーチューバーなど多岐にわたって活動を続けていらっしゃる。表現できる部分はそれぞれ違いますか?

    池田 そうですね、違いますね。それがおもしろいんですけど、その違い以上に、演劇とユーチューブ、どっちを見るかというと、ユーチューブに傾いちゃう人が多いことを感じます。別に競う必要はないですが。でも演劇を観る人も作る側の想像以上にいろいろなものと既に触れている気がするので、そういうことも考えて作りたいです。
     審査員の方々の「公共性」という話を聞くと、いろいろな世代の方々のことをもっと踏まえて、今流行っているものや新しく市民の方々に根付いているコンテンツにも、隅々までアプローチする必要があるんじゃないかと思うんです。だから演劇以外のジャンルを好きな方々にもすごく楽しんでいただける場にしたいです。

    池田さんの中ではジャンルに優劣はなく、作品にあうものをその時々で選んでいるんですか?

    池田 僕はけっこう雑食系というか、いろいろ楽しめちゃう方だと思うし、いろいろやりたいと思っています。広く深くみたいな。多分いろいろ欲張ってもいます。でもいろいろ楽しめない人もいるので、そういう面へのアプローチをゆうめいではしたいです。

    それは観る側の人たちですか?

    池田 第一に、観てくれた人達が、観劇後も社会とのつながりとか、いろんなことを想像できる範囲を広げられたりするものを作りたいです。

    作品をつくる際、自分の主義主張からスタートするのではなくて、受け手である観客を重点にしているんですね。

    池田 何をやるにしろ、そもそも自分が好きでやっていることだし、それに対して、観ている側が、同調や共感をしてくれたら。または、共感はしなくても、日常にいいアプローチができればなという意識で作っています。

    稽古場インタビューで池田家以外の人達の在り方にも注目してくださいっておっしゃってましたが、作中でどういった面で意識されていたんでしょうか?

    池田 親だから、血がつながっているからといって、お互い分かり合っているわけではないですし、親だけど他人だったりもすると思うんです。親子で出演はしていますけど、実は親子にそこまで重点は置いていなくて、それより、親子でやっているところに他人が入ってくることで、家族の在り方や、他人同士の在り方が変わるっていうのがいいんじゃないかなと思いました。

    他人が入ってくることによって中が変わる。作品でははじめから全員が自己紹介でスタートしていたかと思うんですが、その変わるタイミングっていうのはどこらへんだったんでしょうか?

    池田 最初、父親と僕だけの親子のやりとりが始まって、ただ他人の生活の話を聞いてるみたいな感じだけど、田中くんと小松くんが入ってくると「これ演劇なの?演劇じゃないの?」みたいな風になる。
    田中くんと小松くんは、お客さんが感情移入する役割じゃないにしても、ガイドとなるというか…たとえば、ホラー映画って怖がる役の人がいるからより怖く感じるところがあるように、二人にいてもらうことでそういう見方もできるんじゃないかと。

    前回の公演のときはspace not blankの中澤さんが今回の池田さんの役だったと伺いました。そのときと今回って何か違いがありましたか?

    池田 作品自体がぜんぜん違いました。今まで自分がやってきたものはどれも違う意識があります。
    前回、中澤くんが僕の役をやってくれた時は完全に演出だったから結構構成やストーリーを調整できました。
    今回自分でやったのは、もちろん観る人にいろいろ想像してもらうためもありますけど、自分自身も祖父の絵についてすごい考えました。
    今回のモチーフは絵です。絵をテーマにした時って、こっちが「この絵はこういうものです」と決めることが中々難しいと思ってて。だからヒントというか想像力が広げられるようなことをやるほうがいいなと。

    それは絵に限った事ですか?

    池田 絵プラス演劇だったり。むしろ視野を広げるために、今回の絵をモチーフにしたのはあるかもしれないです。

    あの絵は特に思い入れがあったんですか?

    池田 特にではないです。ほんとに100点くらいあって選べ切れないので。タイトルと年代がかいてあったので、その時何があったのか父に聞きながら、引っ張り出してきた2つです。

    ストーリーの基盤はお父さんの体験談なんですね。

    池田 あと祖父の体験もです。まず実話で全部ガーっと作って、その見せ方として、ちょっと身体を使ったり、ぐるぐる動かしたりしました。

    ・体験の当事者がいて、その方と作品を池田さんが介在して作っているんですね。自分の軸と体験者の実話のすりあわせはどのようにされているんでしょうか?

    池田 すりあわせのためには、たくさん話して、たくさん取材します。でも一番大事にしてるのは取材によって出来た公演が終わった後の、体験者との関わり合いです。今回は父という本人がでてくれたけど、おじいちゃんという死んじゃった人が出ていないから、それを想像して伝える役割みたいなことをしたかった。演出上としては、死んじゃった人がいて、生きている人がいて、観客に伝える役割として自分たちが存在しているみたいな。演出面というか構成ではそこです。公演後はすぐ墓参りに行きつつ、ずっと公演の反省をしてました。あと絵についても稽古の時よりもっと考えてました。

    (演出という俯瞰的にみることのできる立場ではなく役者というポジションになった)今回、自分がでることで苦しさみたいなのはありましたか?

    池田 作品が、僕の日常の延長線上で出て来たものなので、あまり自分が役者だという心情になっちゃいけないと思っていました。ちゃんと考えて来たことを伝える姿勢でいるべきだって。

    池田さんの話を見聞きしたことを作品に転じるという作り方は、周りの人達の話題が扱いたくなるようなものが多いからなんですか?

    池田 創作を始めたきっかけが、インターネットに自分の辛い体験やそれを変換した小説を投稿しまくったことでした。それで酷評でも好評でもレスポンスが返ってくることがとにかく嬉しかった。自分が体験談を話すと、誰かも自分の体験を書いてくれたり。
    正直、実名つかって演劇をやるのは、匿名から入った身だと怖くもあります。匿名のほうがたくさん想像できるし、見栄をはらないで出来る点はすごい好きです。毒されてもいるかもしれませんけど。

    けっこう意識されます?

    池田 観ている人がもし2ちゃんねらーだったら(今は5ちゃんねるですが)、っていうのはすごい意識して作っているかもしれないです。彼らに散々ダメ出しされてきましたから。うん、けっこうありますね、自分の中では。

    どのジャンルでやるときもそうなんですか?

    池田 どのジャンルでやるときもですが、アニメやユーチューブは顕著に出ます。匿名だからとんでもない悪口と思うようなのもくるけど、けっこう純だなと思うこともある。相手も自分も実名だとどうしてもセーブしちゃう。そのセーブを取っ払うとダメージもでかいし、衝突もすごいあるけど、僕はがそのダメージに若干慣れてきたのもあって何がこようがそれも意見として全部聞こう、みたいな姿勢になっています。

    今後の活動内容について教えてください

    池田 テレビの脚本だったり映画だったりアニメのDVDについてくる小説だったりがこの先結構いろいろあって、ゴールドシアターの公演もあります。
    「ゆうめい」では、来年の三鷹市のある企画に選出されましたので、それが大きな公演になる予定です。2018年はあともう一本、僕が脚本を書いてるのがあります。今年は新作が5本できましたが、来年もいろいろなジャンルを学びながら、ずっと作ってばっかりな感じになると思っています。  


  • 2018年11月01日

    【サンデー・マティネ・コンサートvol.204】

    <モーツァルト「グラン・パルティータ」を聴く>

    出演
    《クラリネット》
    亀井 良信、加藤 優穂
    《バセットホルン》
    石尾 きらら、菊池 優里
    《オーボエ》
    大隈 淳幾、山根 優季
    《ファゴット》
    渡邊 愛梨、河府 有紀
    《ホルン》
    田中 沙弥、藤野 千鶴、佐藤 千明、秋田 望珠
    《コントラバス》
    牛島みずき


    200回を超えるサンマチの歴史の中でも、初めての試みでした。「グラン・パルティータ」全楽章を聴く!
    総勢13名の演奏家による大曲。せんがわ劇場が、心地よい緊張感とモーツァルトの世界に包まれました。

    今回は、桐朋学園大学の在学生・卒業生に亀井良信先生が加わった編成。亀井先生は「最近この世代と演奏する機会が少なかったから新鮮」と笑っていらっしゃいました。
    終演後の笑顔です!

    終演後のインタビューです。 今回は大勢なので、全員にお話を聞くのは残念ながら断念・・・。
    代表して、河府有紀さん(ファゴット)、田中沙弥さん(ホルン)、菊池優里さん(バセットホルン)、
    亀井良信さん(クラリネット)がお話し下さいました。
    どうぞご覧ください!

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