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2016年08月22日

サンデー・マティネ・コンサートVol.163 世界の楽器< 東西音の十字路 アラブ音楽・ウード> 終演後インタビュー

実は、常味裕司さんにご出演いただくのは2回目。初年度の2008年11月、Vol.15で、市内在住の音楽家としてご登場いただきました。あれから8年近い月日が経って、今回楽器の名前を初めて知ったというお客さまもたくさんいらっしゃる中、「ウード」の演奏をたっぷりと聴かせていただきました。見た目にもとても美しい楽器ですので、写真もぜひご注目ください。

―お疲れ様でした!久しぶりのサンデー・マティネ・コンサートの空間はいかがでしたか?

常味 よかったですよ。(会場の)大きさもいいし、もちろん地元の方ばかりではないんだろうけど、日曜日の地元のお父さん、お母さん、ご家族がいらしている感じがとてもよかったです。すごくよく聴いてくださったし、楽しく演奏できました。

サンデー・マティネ・コンサートVol.163 世界の楽器< 東西音の十字路 アラブ音楽・ウード> 終演後インタビュー



―ウードについて少しお聞きしたいのですが、チューニングは独特なんでしょうか。

常味 そうです。同じ6コース(※)でも、ギターなどとは違う、ウードのチューニングがあります。ただこの楽器を使う地域はとても広いので、チューニングも1種類ではなく、たくさんあるんですよ。

サンデー・マティネ・コンサートVol.163 世界の楽器< 東西音の十字路 アラブ音楽・ウード> 終演後インタビュー
※ウードの弦は、一見6本のように見えるが、2本の弦を1セットに張ってある。このセットをコースという。6コースのものの場合、第6弦のみ単弦で張るのが一般的。
台の上に載っているのが、後述のレクとナイ。



―そうなんですね!さて、今日はソロで演奏していただきましたが、ウードの演奏では、ソロやアンサンブルなど、どういう形態での演奏が多いんでしょうか?

常味 これもなかなか一言では言えないですね。もちろんソロもありますし、コンサートでご紹介したレクという打楽器(タンバリン・写真参照)や、ヴァイオリンが入ったり、ナイ(葦製の笛・写真参照)が入ったりして、1人から5人、6人と、バラエティに富んでいます。ただ、複数で演奏する時でも、ウードは1人です。
僕自身が日本で演奏する場合で言うと、(ソロとアンサンブルは)半々ですね。

―常味さんが日本でアンサンブルを組む場合は、どの楽器となさることが多いですか?

常味 レクやヴァイオリン、またダルブッカという太鼓(ベリーダンスで使う打楽器)とも一緒にやります。

―プロフィールを拝見すると「民族音楽センター在籍中、アラブ音楽に出会う」とありましたが、これはおいくつくらいの頃なのですか?

常味 25歳の時です。大学時代まではロックギターを弾いていました。社会に出てから、インド音楽を学ぼうと思って民族音楽センターに行ったんです。シタールを勉強しに行ったんですが、ウードに出逢って、そっちの方がよくなっちゃった(笑)。ピンと来たんです。自分の体質に合ったんでしょうね。
そしてチュニジアの首都チュニスというところへ行き、アリ・スリティ氏に学びました。

―常味さんにとって、ウードの最大の魅力は何ですか?

常味 やはり音、でしょうか。あと、ウードは明らかにアラブの楽器なんですが、僕にとっては日本の楽器なんです。もちろん個人個人で感じ方は違うでしょうが、日本人にとってぐっとくる音色なんじゃないでしょうか。

―私も初めて聴きましたけれど、わかる気がします。

常味 その辺の何とも言えない感じというのが、言葉にはならないんだけど・・・僕の場合、初めて聴いた時に、昔を思い出すというか、余計なものを振り払ってシンプルになるというイメージを持ったんですが、意外とお客さまからも同じ感想をいただくんです。不思議だなと思います。それがウードの魅力ですね。
あと、音色で言うと、ウードは押さえた、控えめな感じですよね。今の世の中は、音楽にしても何にしても強いものが大きい顔をする傾向がありますが、ウードの穏やかな感じが自分には合っているし、好きですね。

―ありがとうございました。


時間や経済に追われた現代の日本人が失いかけている、シンプルで素朴な美しさを、アラブの人々や音楽に感じるという常味さん。遠く感じるアラブの国々も、こうして音楽を聴くとなぜか身近に感じました。




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