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2016年05月19日

海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート

次世代芸術家グループの柏木俊彦です。
海外戯曲リーディング フリンジ企画に運営参加しています。

ニャアドックチラシ

「ニャアドック」レポートの前に、
まず、海外戯曲リーディングって何?
という問いがあると思います。
2017年2月せんがわ劇場ホールにて、日本未上演の海外戯曲をリーディングにて、連続上演する公演です。
上演日程や上演作品などは、近日公開となります。
もうしばらくお待ちください。

では、フリンジ企画とは?
「周辺」を意味する「フリンジ」は、メインの海外戯曲リーディングの周辺で行われる様々なイベントのことです。
海外戯曲は、演劇人でも接する機会は少なく、また、リーディング公演も最近増えてはきましたが、まだまだ身近なものではないと思います。
そこで、海外戯曲/リーディングへの出会いのきっかけとして考えてみました。

今回は、同次世代芸術家グループメンバーの櫻井拓見さんに「ニャアドック」を依頼。
5/17(火)劇場近くの東部公民館にて開催となりました。

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ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート



5/17(火)18:30〜21:00開催@調布市・東部公民館 和室
櫻井拓見さん/chon-muop(チョンモップ)がファシリテーター(進行役)
たけうちみずゑさん/chon-muop(チョンモップ)がアシスタント(助手)
の「ニャアドック」に参加しました。

海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート


「ニャアドック」とは、ベトナム語「nha(ニャア/家)」と「ドック/読む」」をつなぎ合わせた造語で、一人ずつ好きなものを朗読してみんなでそれを聞き、次にその場にいる誰か気にいった人を指名して、自分が持ってきたものを読んでもらい、それを聞いてたのしむ、という気楽な感じの読み聞きの会。
とのこと。
詳しいルール?は、こちらを参照→ここをクリック!
(今回は『日本語以外の文章が日本語に翻訳されているもの』を持ち寄るという制約あり。)

海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート

参加は、全員で15名。
簡単な準備体操?をして、自己紹介。
演劇人だけでなく、いろいろな方が集まりました。
はじめて出会う方々の緊張も、だんだんとほぐれていきます。

誰かが朗読している間は、皆は自由に聞いています。
目をつぶって聴き入る人。
お菓子を食べている人。
遠くをみて思考している人。
自由に居て、自由に読んで、自由に聞いて良いので、ゆっくりと居心地の良い空間になっていき、作品に対しての疑問や意見も活発に取り交わされました。




海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート
海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドック」レポート



【所感】
☆興味深かったこと
 ・同じ原作で翻訳者が違う作品の読み比べがあり、翻訳の違いを楽しんだ
 ・どうやって読むこと/聞くことを楽しむのか?を思考する、ゆるやかな時間があった
 ・人が何に興味を持っているのか?を知る楽しさがあった
 ・自分が好きなものを伝える熱の面白味があった
 ・読む/聞く姿勢で、人柄が見え隠れする豊かさがあった
 ・翻訳の妙を見つけた瞬間のみんなの歓喜があった

★難しいと感じたこと
 ・海外の方の名前がすんなりと頭に入ってこない。(覚えられない)
 ・聴覚のみで伝わる情報は、やはり視覚より少ない。(絵本が人気だった)
 ・聞くことに慣れるまでに、時間がかかる

私にとっては、かなり興味深い時間でした。
個人的には、ちいさな勉強会やリサーチの場の感じもしていて。
いつか訪れるかもしれないリーディング公演の出演/演出への模索の時間でもありました。
また、参加者からも概ね好評で、「次回はいつですか?」と質問があったのは嬉しい瞬間でした。
櫻井さん、たけうちさん。お疲れ様でした。

次回の「ニャアドック」は、
7/12(火)18:30〜21:00開催@調布市・東部公民館 和室
を予定しています。
引き続き、せんがわ劇場をよろしくお願い致します。


【5/17のニャアドックで朗読された文章のリスト】
(自分で読んだもの)
●「ハムレット」(W・シェイクスピア/松岡和子訳)
●「おおきな木」(S・シルヴァスタイン/本田錦一郎訳)
●「てつぞうはね」(ミロコマチコ)※日本の作家の作品
●「ダライ・ラマ自伝」(ダライ・ラマ/山際素男訳)
●「ある戦いの描写」(F・カフカ/中井正文訳)
●「SUDDEN FICTHON 超短編小説70」より「玄関先に坐る人々」(H・E・フランシス/村上春樹、小川高義訳)
●「あしながおじさん」(ジーン・ウェブスター/土屋京子訳)
●「武士道」(新渡戸稲造/大久保喬樹訳)
●「三つの願い~パレスチナとイスラエルの子どもたち~」(デボラ・エリス/もりうちすみこ訳)
●ドイツのカードゲーム「ニムト」のルール
●「shine on」(エミ・マイヤー)
●「論語~超訳~」(孔子/安富歩訳)
●「ちがうねん」(ジョン・クラッセン/長谷川義史訳)
●「はなをくんくん」(ルース・クラウス、マーク・シーモント/木島始訳)
●「橋」(F・カフカ/池内紀訳)

(他の人に読んでもらったもの)
●「ワニのアリステール」(フロランス・グラシア、イザベル・シャルリー/高田万由子訳)
●「ある戦いの描写」(F・カフカ/中井正文訳)
●「哲学してみる」(オスカー・ブルニフィエ、ジャック・デプレ/藤田尊潮、村山保史訳)
●「SUDDEN FICTHON 超短編小説70」より「食事どき」(ラッセル・エドソン/村上春樹、小川高義訳)
●「ぶかぶかティッチ」(パット・ハッチンス/石井桃子訳)
●「おおきな木」(S・シルヴァスタイン/本田錦一郎訳)
●「おおきな木」(S・シルヴァスタイン/村上春樹訳)
●「見上げてごらん夜の星を」※日本語詞がフランス語に訳されたものが再び和訳されたもの
●「ヒワとゾウガメ」(安東みきえ、ミロコマチコ)※日本の作家の作品


(文責)
次世代芸術家グループ企画運営部/海外戯曲リーディング_フリンジ企画統括:柏木俊彦




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