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2015年10月20日

受賞者インタビュー(4) chon-muop・小川拓哉さん(演技賞)

演技賞 小川拓哉さん
―それではよろしくお願いいたします。今回のコンクールでチームで演技賞を受賞されましたが、まずは自己紹介をお願いいたします。

小川 戦場ジャーナリスト役の小川拓哉です。chon-muop所属ではありませんが、フリーで役者をやっています。

―今回はチームで演技賞ということで初めてのことだったんですが、感想からお聞かせください。

小川 あまりピンときてないんですよ。なんか、取ったんだなぁという感じです。


―櫻井さんとのお付き合いはどのくらいなんですか?

小川 半年くらいです。

―では初めてですね。

小川 初めてです。

―稽古はどのくらいから始めたんですか?

小川 今回の演劇コンクールに出るための稽古は6月の頭くらいで、その前に今回の基になったサルトルの「出口なし」をやって、そのときは3人芝居で、それを5月に日暮里のd倉庫でやったんです。それが2月の終わりくらいからです。

―演劇コンクールの第1次選考が4月終わりですから、その前から「出口なし」をやっていたってことですね。

小川 そうです。

―今回チームで(賞を)取られたって事に関してはいかがですか?

小川 良いじゃないですかね。(笑)よくわからないですよね。やってたから。作品がどうなってんのかとか、皆でお芝居がどうとか、全然覚えてないんです。(笑)覚えてないとか出来てるのかできてないのか全然わかってないんです。

―拝見して椅子をぐるぐる回ったりとか、人間関係が共感から一瞬にして否定に変わるとか場面が多くあって、めまぐるしかったんですが。そういう役を演じるってどんな感じだったんですか?

小川 楽しいですね。豹変するのが普段ないのでしんどいっていえばしんどいんですが。

―エネルギーの持続が求められますよね。

小川 ああ、そうですね。抜けちゃうとね。

―一瞬たりとも気が抜けないっていうかっていう感じですよね。

小川 抜けちゃうと自分でも抜けてるなって感じで、つまんなくなっちゃう。

―そういう緊張感の連続っていうのがまた楽しくもあり、っていう感じですね。

小川 そうですね。みんなでそれを保ってるっていうのが。

―主には後ろの鈴木さん以外は3人で絡み合うじゃないですか。その中でリズム感やテンポ感とかっていうのは意識されました?

小川 全然してないですね。いつの間にか出来ちゃったっていう感じ。やっているときは全然考えてないんで、意識的にわかってないですね。意識してここは早くとか、特にやっているうちにそうなっていったんだと。

―逆に苦労したシーンはありますか?

小川 せりふを覚えるのが。

―長いですよね。意外とせりふだらけですものね。

小川 ずっとしゃべっていますからね。

―その中で後ろの鈴木さんなんかがモノローグででしゃべり始めるとかっていう切り替わりは、シーンの中でありますが、その時でも3人のアンサンブルは意識されていたんですか?

小川 してないですね。(笑)鈴木さんがしゃべっている間僕ら何もしてないわけじゃないですが、それなりにつながっている状態ではいるんで、なんかやろうとか気にしないでただそこにいるというか。

―ただそこにいるって演技は難しいですよね。

小川 難しいですね。

―何かやっちゃうと意味持っちゃいますものね。

小川 しょっちゅう何かやってましたね。何かやってないと間が持たない(笑)。

―小川さん自身の芸歴はどのくらいですか?

小川 10年ちょっと位ですかね。飛び飛びでやってたんで。

―櫻井さんとの関係は

小川 櫻井さんが所属しているトリのマークっていう劇団に出させてもらった時に、櫻井さんがスタッフでいてそこで知り合って、「出口なし」って芝居をやるってなった時に、ガルサンって役なんですが、と声をかけてもらって、どうですか?って。ちゃんとお芝居を作ったのも今回が初めてで。

―櫻井さんの演出はいかがでしたか?

小川 結構悩んでましたね。悶々とした感じがありましたけど。

―本当にアンサンブルで3人の役を作り上げていったんですね。

小川 よくわからないんですよね。3人のアンサンブルがどうだったかは全然意識していなかったです。そういう風に(審査員に)見られてたんだなって。

―それが演技賞と言う形で実を結んで。

小川 ピンときてない(笑)。もともと話の中で、なんでここで怒るんだろうとか、何でここでこの人が言ったから、こんな事言うの?とか疑問点が多くて。

―繰り返してましたよね。はじめ戦場ジャーナリストで死んでしまって、それがまた後でも新しいことが展開して、同じことが語られて不条理な部分もあったんじゃないでしょうか。

小川 どっかで僕が怒る理由が特にないんですけど、怒ってあげないと次の二人が言いづらいとか、そういう感じが出てくる箇所があったり、二人が怒ってくれないと自分も言いづらいから、そこは怒ってあげようみたいな感じがあるんじゃないかな(笑)。

―役者同士っていろんなパターンがあると思うんですけど、今回は稽古場以外で話し合いをするとかあまりなかったんじゃないですか?

小川 話し合いはしていないですね。飲みの席ではあーだこーだ言いましたが。ミーティング自体はやってないですね。

―今後の活動としては?

小川 まだ何も。のんびりしています。

―せんがわ劇場の印象は?

小川 すごいなあって思いました。こんなちゃんとした所でやるのは初めてだったんで。袖が広いので嬉しくて、本番前は動き回っていました。

―今回もいろんな方たちが関わってくれていたんですが、演劇コンクールの出身の方々なんです。例えばそういう方々がここで演出や演出助手をしてくださったり、お芝居でしたらオーディションとか、もし機会があればまたお顔を見せてください。

小川 それはぜひ。

―今日はありがとうございました。


■小川拓哉プロフィール
1980年、奈良県出身。21歳から演劇を始める。時々活動する日用機関舎を主宰。
■主な出演作:
猫の会『水底の静観者』(2011年 下北沢「劇」小劇場)
日用機関舎『給水塔』(2011年 SPACE雑遊)
waqu:iraz『短編集:ノスタルジア』(2014年 APOCシアター)

■chon-muop
2005年活動開始。櫻井拓見、澁谷橙、たけうちみずゑの三名で構成。
団体名(チョンモップ)は、とある国に棲息する「いいにおいがする動物」の名前から。漂うにおいのように、外の世界へとにじみ出し、記憶の深淵と結びついていくことを願って。
■主な作品:
『神変 方丈記』(2010年 調布市せんがわ劇場・第1回せんがわ劇場演劇コンクール参加作品)
『うすあかりの国』(2013年 RAFT・NPO法人らふと主催「文学+−×÷」第一弾公演)
『出口なし』(2015年 d-倉庫・die pratze主催サルトル「出口なし」フェスティバル参加作品)


写真撮影:青二才晃(せんがわ劇場市民サポーター)


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