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2018年07月10日

演劇コンクール・稽古場情報!!! 【ブルーエゴナク】

ただいまコンクールに向けて絶賛稽古中!の、第9回せんがわ劇場演劇コンクール出場団体の皆さんにアンケートをお願いしました。コンクールの先輩でもある運営スタッフ(次世代芸術家グループ)からのスペシャルクエスチョンも加えた全7問、どんな答えが返ってきたのでしょうか?
全6団体、順不同でお届けします。

今回は、中澤陽さんから、ブルーエゴナク代表・劇作家・演出家・俳優の穴迫信一さんへの質問です。どうぞご覧ください!




「劇団の成り立ち」を教えてください。

穴迫
北九州芸術劇場の企画「シアターラボ」の参加をきっかけに、劇団を立ち上げることになりました。
旗揚げメンバーのほとんどがその企画の参加者でしたが今は僕だけになりました。


これまでの活動について聞かせてください。

穴迫
福岡県北九州市を拠点に活動しています。今年で旗揚げ6年目です。地元では北九州芸術劇場で様々な企画や事業に参加させていただいております。
今年度で5回目となるモノレール公演では、毎年作・演出を務めています。北九州のロケーションを生かした作品として毎年好評をいただいています。
2015年より京都のアトリエ劇研創造サポートカンパニーとして3年間活動し、今年、ロームシアター京都×京都芸術センターによるKIPPUに選出されました。
2016年には高松アーティストインレジデンスに選出され、高松市の商店街で演劇作品を上演しました。
また九州は県同士の繋がりが強く、各地域で公演やWS、企画などに参加させてもらっています。



せんがわ劇場演劇コンクール参加の動機はなんですか?

穴迫
参加の動機は、多くの方に作品を見ていただき、作品についての言葉をいただくことです。
地域で活動するリスクとして視野がなかなか広がらないということがあります。観られる演劇のジャンルが限られているからです。
今自分たちが作っている演劇が、全国基準で、世界基準で、どれくらいのレベルのものなのかを知りたいです。
九州でやるだけではその価値観には出会えません。私たちの作品に新しい価値が与えられることを願っています。


今回上演する作品の見所は?

穴迫
このアンケートにお答えしている現在、まだ台本を書き上げられておりません。予定よりかなり遅れています。
そのため見所を文章化することがかなり難しい状況ではあります。
初演では時間をビジュアル化し、記憶、関係、肉体の不死/死をテーマに、少女たちの終わらない青春を描きました。
今作もそこらへんは一緒なのですが、40分にするために設定をひとつふたつと剥いでいくことで、作品の芯の部分を改めて見極めることが必要になってきました。その作業にかなり時間がかかっています。


コンクール後の展望をお聞かせください。

穴迫
東京での活動を増やしたいと考えています。地域では東京よりコストをかけずに作品を作ることができます。
しかし、見てもらいたい人になかなか届きません。劇評家の方やライターの方も九州にはほとんどいません。
コンクール参加動機と似てしまいますが、自分たちの演劇を知ってもらう期間に入っていればと考えています。
あくまで北九州をアトリエにしながら、全国で上演できるようになりたいです。




スペシャルクエスチョン・中澤からの質問(1)
「穴迫さんが代表として、平嶋恵璃香さん(ブルーエゴナク俳優・カンパニーマネージャー)がカンパニーマネージャーとして役割分担されていますが、それらの役割の違いとねらいはどういったところでしょうか。」


穴迫
これは今年から始めたことなので具体的にどれくらい効果があるのかはまだ分かりません。
基本的には代表である僕が活動の内容などを決めていくのですが、制作的決定権をカンパニーマネージャーである平嶋が持っているという状況です。
昨年までは全ての決定権を僕が持っていて、そのせいで時間的・物理的無理を強いることがありました。
そういった体制を改めること、また平嶋にも劇団員・俳優のみでなく、劇団内の明確な立ち位置としての役割が必要だと考えたことなどが大きな理由です。



スペシャルクエスチョン・中澤からの質問(2)
「これまでも京都、高松など様々な場所で公演をされていて、9月にも東京公演を予定されていますが、拠点である北九州とその他地域で公演をすることの違いがあれば教えてください。」


穴迫
高松では商店街の人たちに取材をして作品をつくり、それを商店街の中で上演するという特殊な形態だったため、まだ比較できるほど知ることができていません。
京都と北九州では最初の数年こそ、それぞれの地域でのイメージの違い(京都ではコント的な作品ばかりやっていたので笑いがメインの団体だと思われていたり)に悩んでいたりもしましたが、ここ3年くらいは確固たるエゴナクらしさを持ってそれぞれの土地で上演できていると思います。
ただ演出的(あるいは作劇的)にどこまで攻めようかと考えるときに、ここまでいったら北九州では分かってもらえないなと思うことを京都で思い切ってやってみたら受け入れてもらえたり、これだと京都の人に舐められちゃうなということでも北九州では純粋に楽しんでもらえたり、どちらが上下というわけではないですがそれぞれの地域の観客の好みや演劇との距離感みたいなものを嗅ぎ分けて、演出を変えたりすることはあります。嗅ぎ分ける力みたいなものも年々ついていってると思います。多種の文化、多様な表現に触れている京都のお客さんの観る力に九州とは明らかに違うものを感じるのも確かです。



【感想】
ただ作品を上演し続けるのではなく、日本のあらゆる土地に活動を拡げることに目を向けているブルーエゴナクさんの姿勢に、とても共感を覚えました。新たに、仙川という町、せんがわ劇場という場所で、次はどんな一面を見ることができるのか、期待が膨らみます。

( せんがわ劇場演劇コンクール運営スタッフ・中澤陽)


第9回 せんがわ劇場 演劇コンクール
7/14(土) 15:00
ブルーエゴナク 『おとずれないひのために』
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