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2014年06月05日

ファミリー音楽プログラムvol.13 子どものための演奏会入門 ~はじめてのオペラ~

5月24日に行われたファミリー音楽プログラムvol.13≪子どものための演奏会入門~はじめてのオペラ~≫の様子をライターであり、市民サポーターでもある才目さんによるレポートでお届けします。

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せんがわ劇場は「次世代を担う子どもたち育成事業」に2011年より取り組んでいます。
ファミリー音楽プログラムはその一環で、前回の「おやこ楽器体験ツアー」に続く今回のテーマは、「オペラ」。
市内の5歳~小学生と保護者を対象に、敷居が高いと思われがちな「オペラ鑑賞」への入門講座です。
入場無料・予約制で、今回も多くの親子・ご家族連れがお越しくださり、はじめてのオペラ演奏会を堪能されていました。



「明るく楽しく、ためになる」せんがわ劇場の音楽事業。
今回の講師は、せんがわ劇場音楽コーディネーター・松井康司(まついやすし)先生です。


●街の中心にある劇場でオペラを毎日上演

第一部「オペラを知ろう!」は、オペラって何だろう? という視点で、オペラ劇場(オペラハウス)の説明から始まります。

「音楽の都・ウィーンやミラノ、パリではオペラハウスは街の中心にあって、オペラの公演が毎日あります」と松井先生。
「ヨーロッパではオペラが文化の最上位にあり、国をあげて大切にする伝統がある」とのこと。
そういえば、第二次大戦後、オーストリア・ウィーンの人々は「戦後復興の象徴」としてオペラ座の早期再建を願ったといわれます。

「オーケストラは舞台と客席の間で一段低くした“ピット”に入っています。もともとオーケストラは、主にオペラの伴奏をする演奏形態。ウィーン・フィルですら普段はあまり目立ちません(笑)。
オペラハウスの舞台は4面あるものもあって、素早く場面チェンジができるようになっています。舞台装置や美術、衣裳に贅の限りを尽くします。こうした劇場で、オーケストラが演奏する音楽に乗せて、歌い手がすべてのセリフを歌で表現し、ストーリーが展開する劇、それが『オペラ』なのです」。

まさに総合芸術。本場ヨーロッパで観るオペラはどんなにか華やかでしょう。その一端を、今回出演してくださった声楽家の皆さんが実演してくださいます。取り上げる演目は、モーツァルトの歌劇『魔笛』や『フィガロの結婚』、プッチーニの喜歌劇『ジャンニ・スキッキ』、などなど。名場面の実演を交えながら、オペラの「声」や「歌唱法」についての解説が入ります。


●オペラは歌はもちろん、演技力も大切

「女性の高い声がソプラノで、お姫様などを演じます。少し低い女声は、メゾ・ソプラノ、アルト。こちらはおばあさんや魔女を演じます。男性の高い声はテノールで、王子様役。低い声はバリトン、バスで、おじいさん役。声の高低で演じる役が分かるのです」(松井先生)。

ここでクイズが出されます。出演者がモーツァルト「夜の女王のアリア」、フンパーティンク「魔女の歌」、プッチーニ「私のお父さん」をそれぞれ歌い、声の高さから役を当てます。子どもたちがほとんど正解したのには、びっくり。すっかりオペラの世界の約束事に馴染んできたようです。

「オペラには4種類の歌唱法があります。お話しの中で人物が気持ちを歌い上げるアリア。ちょっとセリフっぽく歌うレチタティーヴォ。二人以上でハーモニーを聴かせる重唱、そして大勢で歌う合唱です」。

専門用語を実演で解説します。テノールで聴かせるアリア「王子タミーノの歌」(『魔笛』より)。レチタティーヴォは、コミカルな演技を交えた「ケンカの二重唱」(『フィガロの結婚』より)。ソプラノとメゾ・ソプラノが皮肉のこもったやりとりをする喜劇の場面で、なるほど、オペラは歌だけでなく、演技も大切なのだと分からせてくれます。

「レチタティーヴォでは、モーツァルトが書いた楽譜はほんの少し。伴奏のピアノも即興演奏をして劇を盛り立てます。ピアニストが演技に合わせて細かく音を入れているのが分かりますね」など、歌と演技と音楽が緊密に連携して劇としてのオペラを構成していると、松井先生の熱心な解説が続きます。

第3回ファミリー音楽プログラム子どものための演奏会


●「乾杯の歌」に始まり「乾杯の歌」で終わる

休憩をはさんで、第二部は「アンサンブルの楽しみ」です。本格的な重唱が楽しめます。

まず、モーツァルトの歌劇『魔笛』で有名な「パパパの二重唱」。パパゲーノとパパゲーナが「パ・パ・パ・・・・」と互いに呼びかけ合い、喜びを歌い上げます。

続くプッチーニの歌劇『ラ・ボエーム』より、第3幕の四重唱。愛し合いながら別れを覚悟する二人と、ののしり合いながら喧嘩別れする二人。二組の対照的なカップルの対照的な別れを「四重唱」で描いた名場面、プッチーニの傑作です。

そして、ビゼー作曲の歌劇『カルメン』より五重唱でフィナーレ。ヨハン・シュトラウスの「乾杯の歌」(喜歌劇『こうもり』)から始まった今回のレクチャー、最後はヴェルディ『椿姫』の「乾杯の歌」をアンコールでお贈りし、締めとなりました。

♪♪


まさに“オペラに乾杯”する午後のひと時。それにしても年少時に「オペラ」に触れるとはなんと贅沢な体験でしょう。
子どもの頃の劇場での音楽体験は、原体験として感性に刻まれるでしょう。もしかしたら、オペラに病みつきになってしまう子どもたちも出るかもしれません。オペラの奥深い魅力を垣間見せてくれた本格的な演奏会とレクチャーでした。

(取材・文/ライター 才目)  


  • 2014年05月15日

    サンデー・マティネ・コンサート Vol. 124

    今年度で6年目を迎えた「サンデー・マティネ・コンサート」。5月11日に行われたvol.124≪世界の楽器シリーズ「アルパ」≫の様子をライターであり、市民サポーターでもある才目さんによるレポートをお届けします。


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    「サンマチ」の愛称で市民に親しまれている「せんがわ劇場サンデー・マティネ・コンサート」
    (マティネはフランス語で「午前」の意味)。

    本年度、金管5重奏の晴れやかなファンファーレ&演奏で幕を開けた「サンマチ」は、劇場開館7周年を迎え、通算120回をこえる公演を続けてまいりました。まさに「継続は力なり」。演劇とならび、音楽文化の普及育成と発信に取り組むせんがわ劇場を代表する事業のひとつです。毎回いらっしゃる“常連”のお客様、ご家族連れのお客様もおいでになり、市民の期待の高さを感じる恒例プログラムとなっています。
    ●中南米生まれのハープ「アルパ」を弾き、歌う

    さて、5月連休明けの「サンマチ Vol.124 」は、「アルパ」というハープの一種を弾きながら歌を歌う、アルパ奏者にして声楽家である池山由香さんのご登場です(当劇場には2回目の出演)。今回もおかげさまで満席となりました。

    ハープというと優美なグランドハープを思い浮かべます。一方、「サンマチ」で2013年暮れにご紹介したアイリッシュ・ハープという小振りなハープがあります(当ブログ過去記事ご参照ください)。「アルパ」はこれらの中間の大きさ。重さは10キログラム程度。中南米生まれのハープで、ラテンハープあるいはインディアンハープとも呼ばれます。

    パラグアイ産のアルパを携えて颯爽と登場された池山さんは、その衣裳も素敵です。メキシコ南部チアパス州の手縫いの刺繍で、ひまわりや鳥をあしらった鮮やかな緑のワンピース。サーッと、舞台に晴天の5月、新緑の風が吹き渡るようでした。

    1曲目は「美しい空」を意味する「シェリト・リンド」(コルテス作詞作曲)の演奏と歌唱。「アイ・アイ・アイ・アイ...」という美しい娘への呼びかけが入るこの曲で、アルパの魅力と池山さんの歌唱力が炸裂します。

    指の爪で弾くアルパの音色は、実に壮快で、一聴して中南米の民族楽器的な味わいを濃厚に感じさせます。高い方の音は可憐で華やか。低い方の音はアルパの胴がしっかり共鳴して力強く。この魅力的な音色に池山さんの朗々たるメゾソプラノの美声が重なるのです。

    ●華麗な演奏テクニックと歌唱の力

    続いて「茶摘」をはじめ、日本の初夏の風物詩を描いた曲を弾き、歌い上げた池山さん。ここで、せんがわ劇場音楽コーディネーター・松井康司先生との楽しいトークが入ります。

    珍しい楽器や音楽をめぐって、演奏者と先生方の親しみやすいトークが聞けるのも「サンマチ」の魅力のひとつ。何やら「薀蓄」が深まった気がするのです。

    トークの後は、アラルコン作曲「5月3日」、カルドーソ作曲「牛乳列車」とアルパの名曲演奏が続きます。「牛乳列車」は、ミルクをいっぱい積んだ蒸気機関車が発車して勇壮に高原を進んでいく様をアルパの音で表します。躍動的な手指と腕の動き、細かなトレモロのテクニックが、今回大勢いらした子供たちの目を釘付けにしていました。


    ブランコのアルパ演奏で世界的にヒットした「コーヒー・ルンバ」(ペローニ作曲)、メキシコ民謡「ラス・チアパネカス」と演奏は続きます。身を乗り出して聴き入り、演奏にあわせて手拍子を入れるお客様。舞台と客席の一体感が高まります。「コーヒー・ルンバ」は歌謡曲で耳馴染んでいますが、実は中南米生まれと知り、びっくり。なるほど、アルパで演奏すると実にぴったりくる楽曲なのです。

    満場の温かい拍手の中、アンコールで「アメージング・グレース」(ニュートン作詞、賛美歌)を弾き、熱唱してくださった池山さん。最後には「歌唱の力」で聴衆の心をぐっとつかみ、5月の朝にふさわしい爽やかな感動を届けてくださいました。


    ●「サンマチ」を支える「市民サポーター」

    ところで、サンマチ公演でも「せんがわ劇場市民サポーター」の皆さんが活躍しています。開館以来、ほぼ全回参加してくださっている市民の方を中心に、受付や会場案内などを連携して担当。市民に愛されるサンマチの「明るい雰囲気づくり」に貢献し、優秀な若き音楽家の明日への飛躍を応援していることが誇りです。

    「サンマチ」はこれからも市民の皆さんとともに充実の内容・ラインナップをお届けしてまいります。本年度もよろしくお願いします。

    (取材・文/ライター 才目)
    アルパ
      


  • 2014年04月27日

    平成26年度サンデー・マティネ・コンサートがスタート!

    本日、平成26年度のサンデー・マティネ・コンサートがスタートしました!
    vol.123の今回は、新年度最初ということで、仙川駅前にてファンファーレが行われました。

    今年度は、金管五重奏にてコンサートがスタート。

    サンデー・マティネ・コンサートvol.123に出演の、BRASS117 (金管五重奏)さんによるファンファーレ&演奏を披露していただきました!

    また、市民サポーターの堀光太郎さんも駆け付け、道行く方々に、劇場の紹介のアナウンスをしてくださいました。

    たくさんの方々が足を止めて、晴れやかな金管五重奏に聴き入っていらっしゃいました。

    ~演奏曲~

    「ファンファーレ」 (ヘンデル「水上の音楽」より)
    「津軽海峡冬景色」 三木たかし

    SMC vol123
    SMC vol123_1