たまりば

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2017年02月12日

「海外戯曲リーディング」佐川リポートその6

佐川リポートその6は、いよいよ2nd Weekの作品紹介に移ります。
まずはプログラムDの名がついている、カナダの「アイスランド」

戯曲はカナダの新鋭、ニコラス・ビヨンの作。彼の作品は映画化もされていて、世界的にも今非常に注目されている一人です。
カナダといえば、「移民に寛容な国」と言われる多民族国家ですが、この戯曲に登場する3人も、それぞれ違う背景を持っています。

エストニアからの留学生のカサンドラ、パキスタン系の移民2世のハリム、カナダ人の敬虔なクリスティアンのアナ。
この3人のモノローグで展開する珍しい形式の戯曲です。

あるアパートの一室に血まみれで倒れている男。なぜこの事件が起こったのか。3人はどうしてこの事件に巻き込まれたのか?
それぞれの独白が絡み合い、事件の全貌が明らかになっていく様は、芥川の名作「藪の中」が想起されます。
サスペンスな展開でありながら、その背景に現在の世界情勢が透けてみえてくる硬質な戯曲です。

演出は、演劇企画JOKOの菊池准さん。翻訳物の演出経験も豊富なベテラン演出家です。
リラックスした雰囲気で俳優に語り掛けていき、各自の個性を生かしながら、演出ポイントを絞っていくのは、ベテランの手腕。キャリア豊富ながら、リーディングは初演出らしいので、どのようにアプローチするかも注目です。

多文化主義の実験国家と言われるカナダは、グローバル化の先駆けといえるでしょう。カナダ発の演劇には、これからの日本が学ぶべきところが多くあるかもしれません。






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  • Posted by せんがわ劇場 at 10:00Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2017年02月08日

    「海外戯曲リーディング」佐川リポートその5

    佐川リポートその5は、オーストラリア「ノームとアーメッド」についてです。

    戯曲は、アレクサンダー・ブーゾの作。今回の7作品では最も古い1968年のものですが、オーストラリア演劇史の一ページといえる著名な作品です。というのも、オーストラリアには「白豪主義」と言われる有色人種への差別政策がありますが、当時その問題を真正面から扱った演劇は革新的だったからです。オーストラリアが抱える多くの問題が描かれているこの作品を理解することは「20世紀オーストラリアの歴史」に触れることでもあるでしょう。

    登場人物は、オーストラリアの労働者階級の中年男性ノームと、パキスタンからの留学生で理知的なアーメッドの対照的な二人。その二人が、それぞれの人生、価値観を語り合いながら、関係を探っていく濃密な会話劇です。この芝居は、「肌の色の違う二人が演じる」のが大前提なので、日本では実際に上演するには高いハードルがあります。そう考えると、今回のリーディング上演は、この作品を紹介するうえで適切といえるかもしれません。

    演出の日澤雄介さんは、リアリティのある骨太な会話劇で、数々の演劇賞を受賞。時代を席巻している劇団チョコレートケーキの主宰であり、演劇界のトップランナー。稽古場でも、俳優の内面に働きかけながら、非常に繊細に場面を作り上げます。観客の感性を刺激するような空気感が伝わる演出は流石です。「これぞ、本格派リーディング」というようなストイックな上演になりそうです。







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  • Posted by せんがわ劇場 at 21:00Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2017年02月08日

    「海外戯曲リーディング」佐川リポートその4

    今回は、パレスチナ「いつも同じ問題」について。

    作家はイハッブ・ザハダァ&イエスシアター。イエスシアターはパレスチナの劇団。パレスチナというと「中東の火薬庫」とも言われ、複雑な地域という印象がありますが、この作品は、コメディのような不思議なテイスト。

    あるアパートの庭にゴミがうずたかく積もっている。そのアパートの住人である3人が「このごみをどうするべきか?」と、けんかを始めます。その状況がどこかユーモラスでありながら、どの登場人物もどこか誇張されていて、その歪な世界観が現実と重なる寓話的作品です。

    演出は、せんがわ劇場演劇コンクール出身者で、京都で活動している「劇団しようよ」の大原渉平さん。彼は、今回の7人の演出家の中では最も若いうえ、演出助手にも同じ京都の若手、本間広大さん。この京都若手タッグで仙川に滞在しての創作です。
    大原さんの演出で特徴的なのは、「どうやったら、面白くなるか?」と俳優と意見交換しながら、稽古を進めていくところ。俳優さんたちも積極的にアイデアを出しながら進める稽古場は、ある種の一体感が生まれています。今回の7演目の中でも、かなり意欲的な演出に挑戦していて、若いながらも臆することのない新世代の演出家だなと思います。

    小劇場界注目の俳優さんの参加もあり、パレスチナへの固定概念を覆してくれる化学変化がありそうです。新しいものを感じたい方はぜひ!




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  • Posted by せんがわ劇場 at 09:00Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2017年02月05日

    「海外戯曲リーディング」佐川リポートその3

    海外戯曲リーディング稽古場リポートですが、これからは各作品について個別に紹介していこうと思います。
    まずは、第一週に上演されるフランス戯曲「うちの子は」について、ご紹介を。

    「うちの子は」の作家は、21世紀フランス演劇界を代表する一人であるジョエル・ポムラ。本作「うちの子は」は、沢山の親子を取材し、その記録を元に戯曲化したそうです。取材を元にした戯曲でありながらも、固有名詞は極力排除されていて、平易な言葉で書かれています。そのためフランスの話でありながら、すんなり感情移入でき、世界共通の普遍的親子像が透けて見えてくる秀作戯曲です。

    この作品は「親子」にまつわる10のモチーフを、オムニバス形式で描いています。10の場面にでてくる登場人物は、子供から老人まで20を超えます。それをたった6人の役者で演じます。喜劇、悲劇、サスペンスと、バラエティ溢れる各シーンを、見事に演じ分ける俳優陣にもご注目ください。

    演出の松本祐子さんは、早口でどんどん俳優へ指示だしをしますが、その指示が的確かつ力強い。まさに座長という感じで、ぐいぐい稽古を引っ張っていきます。また、言葉を大事にする文学座の出身だけあり、セリフの音への感覚が非常に鋭敏で、セリフ演出が非常に具体的なのは特徴的でした。

    フランスへの予備知識が一切なくても理解できる作品ですので、海外戯曲に苦手意識のある人にこそ、おすすめです。









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  • Posted by せんがわ劇場 at 17:47Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2017年02月03日

    「海外戯曲リーディング」佐川リポートその2

    佐川リポート二回目は、「リーディング」について。

    最近の演劇界ではリーディングが流行中。
    単純に言えば「台本を読むこと」なのですが、実は色々な演出方法で上演されています。

    例えば、読むときの姿勢は、椅子に座るのか?立って読むのか?
    「椅子」の場合、俳優さんの動きが制限される分、セリフへの意識が強くなります。
    一方、「立って読む」と、俳優さんの立ち居振る舞いがより見えてくるようになります。

    また、「ト書きをどう処理するか?」も、演出によって違います。
    ト書きを読むのか?ト書きを演技で見せるのか?それとも、他の処理を・・・?

    こう考えていくと、
    小道具は使うのか?
    照明は?
    音響は?
    衣装は?
    さらに、今回は簡単なものですが、各演目ごとの舞台美術もあります。

    観客の想像力を刺激するため、どのように選択していくか。
    現在、それぞれの稽古場では、これらの要素について、試行錯誤されています。
    総合演出として、各稽古場を見学している私は、「この座組はそう来るか?」と驚きの連続です。

    7人の異なる出自の演出家によって、様々な文化風土の、違う様式の戯曲がパフォーマンスされる。
    これだけリーディングに特化した大規模な企画は、世界でも類がないでしょう。
    手前みそながら、この「海外戯曲リーディング」は日本のリーディング上演の歴史の一ページになるのでは、と自負しています。
    ぜひとも、一つに拘らず複数作品をご覧になって、リーディングの奥深さに触れてみてください。

    写真は、1st Weekに上演される作品の稽古風景です。


    「うちの子は」(フランス) 作品詳細はこちら→クリック!


    「いつも同じ問題」(パレスチナ) 作品詳細はこちら→クリック!


    「ノームとアーメッド」(オーストラリア) 作品詳細はこちら→クリック!



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  • Posted by せんがわ劇場 at 14:40Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2017年01月29日

    「海外戯曲リーディング」佐川リポートその1

    「海外戯曲リーディング」総合演出の佐川大輔です。
    これからたまに、私の視点でリポートをしていこうと思っています。

    さて、まもなく初日まで2週間になりますが、各作品の美術や衣装のプランも出そろってきました。私は総合演出という立場上、各稽古場を見学しております。稽古は各チームバラバラに行っていますが、その稽古に参加し、全体を客観視できる立場として感じることは、改めて「この企画は非常に面白いなー」ということ。

    というのも、「それぞれのチームが違う」からです。

    例えば、F/T(フェスティバルトーキョー)など、多くの国のカンパニーが集まる演劇祭は世界にも数多くあります。
    しかし、7か国の戯曲を、すべて「同じ言語でパフォーマンスする」という催しは世界的にも稀有でしょう。
    そこには、「文化や社会」、「人々の抱える問題」、「戯曲の様式」、「演出家の考えるリーディングへの考え」など、多くの比較対象があります。

    まさに「違いを味わう面白さ」です。

    単独の各演目を見ることも勿論面白いと思いますが、ぜひ複数作品をみることで、国や文化の違い、演出の違いを比べる見方がより楽しめるのではないかと。

    この「違いの面白さ」については、また機会があれば、またお話していきたいと思います。

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  • Posted by せんがわ劇場 at 10:25Comments(0)演劇海外戯曲リーディング

    2016年11月19日

    海外戯曲リーディング フリンジ企画  ちょっと変わった朗読会「ニャアドックvol.4」レポート

    次世代芸術家グループの櫻井拓見です。
    海外戯曲リーディング フリンジ企画「ニャアドック」の進行をつとめさせていただいています。

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    ちょっと変わった朗読会「ニャアドックvol.4」レポート
    11/15(火)18:30~21:00開催@調布市・東部公民館 和室

    今回の参加者は5名。
    調布市のフリーペーパー「182ch」や市報をご覧になった方などがいらっしゃいました。全四回のニャアドック、来場コンプリートの方も!
    少ない人数ではありましたが、その分、一人一人にたっぷり時間がとれて濃密な時間となりました。

    毎回恒例となっているお菓子は「にんじんケーキとアップルパイ」!お茶と一緒に食べながらのまったりした進行はいつもと変わらずです。

    今回も、前半は「自分で持ってきたものを自分が読む時間」、後半は「持ってきたものを誰かに読んでもらう時間」の二部構成ですすみました。


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  • 2016年11月17日

    「世界を歩こうワークショップ@aona cafe 」レポート

    次世代芸術家グループのタカミナオミです。
    10月2日に、調布にある親子カフェaonaにて、海外戯曲リーディング フリンジ企画「世界を歩こうワークショップ〜親子で旅する世界地図〜」の講師をしてまいりました。

    このワークショップは来年の海外戯曲リーディングのフリンジ(周辺)企画です。ふだん、生活をおくる身近な場所で、親子で演劇ワークショップやリーディング作品を体験していただく事で、リーディング公演や劇場との距離を縮め、興味を持っていただくために開催されました。

    当日の様子をレポートします。

    当日は3歳〜7歳のお子さんとお父さんお母さん、総勢33名の方が参加してくれました!
    みんな始まる前から畳の上を走り回って元気いっぱいです!

    前半は親子で世界を探検する!をコンセプトに、全員が探検隊になり、さまざまなミッションをクリアしながら、異文化や世界の広さに触れていきます。



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  • 2016年10月06日

    ワークショップ「紛争地・パレスチナから来た芸術家による《心の解放プログラム》」レポート

    せんがわ劇場 次世代芸術家グループの柏木俊彦です。
    『海外戯曲リーディング』フリンジ企画統括をしています。

    2017年2月に行われる『海外戯曲リーディング』のフリンジ(関連)企画として、
    「紛争地・パレスチナから来た芸術家による《心の解放プログラム》」が2日間、開催されました。
    ・9月11日(日)19:00〜21:00@仙川ふれあいの家
    「子どもと大人のためのワークショップ」
    対象:一般市民(小学校3年生〜大人)

    ・9月12日(月)13:00〜16:00@劇場ホール
    「プワークショップ・ファシリテーターのためのワークショップ」
    対象:せんがわ劇場次世代芸術家

    講師には、パレスチナから来日中の
    イハッブ・ザハダァさん Ihab F.zahdeh
    ムハンマド・ティティさん mohammad Titi(9/11のみ)
    通訳には、岡本はづきさんを、お迎えました。



    上の写真=左がイハッブ・ザハダァさん、右が岡本はづきさん
    下の写真=ムハンマド・ティティさん


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  • 2016年09月13日

    せんがわアートサロン#5

    せんがわ劇場 次世代芸術家グループの柏木俊彦です。
    『海外戯曲リーディング』フリンジ企画統括をしています。

    8/24(水)に、せんがわ劇場ホールにて、「せんがわアートサロン#5」※が開催されました。
    今回#5は、2017年2月開催『海外戯曲リーディング』へ、更に一歩近づくゲストです。
    アルゼンチン共和国大使館より、
    フェリペ・ガルデラ公使(文化担当)夫妻と、文化部の柏倉恵美子さん
    を迎えて、「アルゼンチンってどんな国?~国の特徴と習慣について~」
    というテーマにお話をいただきました。

    今回の参加者は30名ほど。
    恒例となった『海外戯曲リーディング』総合演出:佐川大輔さんのアイスブレイク(緊張をほぐすワーク)でフェリペ公使が大ブレイク。。
    豪快に笑いながらの国際交流です!
    そして、握手の文化はほぼなく、ハグが主流!!





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